働く女子のビジネスマナー

働く女子のビジネスマナー

仕事に慣れてくると知っているつもりでも、ついつい自己流になりがちなビジネスマナー。
職場での身だしなみや敬語、立ち振る舞いなど、大人女子としてもう一度振りかえりたい基本のマナーを、
元国際線キャビンアテンダントの野村さんに教えてもらいました。



野村直美さん

ビジネスマナーの目的とは

 そもそも「ビジネスマナー」とは和製英語で、正しい英語では「manner(仕方、やり方)」ではなく「behavior(振る舞い、態度)」と言います。ビジネスが潤滑に進むための振る舞いや行動のことを指し、欧米では社会人はこれを習得した上で仕事に臨んでいます。そしてその目的は、ビジネス上でのコミュニケーションを図ることにあります。
 言葉遣いを例にとってみます。ビジネス上での言葉遣いは、敬語であれば可です。なぜなら完璧な敬語を使える人というのはごくわずかだからです。ビジネス上では「正しい敬語を使うこと」が目的ではなく、「みんなで潤滑なコミュニケーションをとること」が目的です。例えば「とんでもございません」。「とんでもない」は形容詞なので、このような日本語は実は存在しません。しかし、「とんでもないことでございます」のように正しい敬語を使うと、くどくなってしまうことがあります。また、「お疲れ様です」は、本来は目上の人が目下の人に使う言葉ですが、もう一般的な言葉になっていますよね。
 このように、国語としては不正解であっても、コミュニケーションが潤滑であるならそれは成功しているということです。ビジネスマナーの目的とは、まさにそこにあるのです。

もっとも大事なのは第一印象

 言いにくいことも伝えなければならないのがビジネスです。こと営業や接客の現場ではそうしたことがたくさんあるはずです。それを伝えるためにわざとクッション言葉を挟み、依頼形の言葉にしたりもします。そうした場合は〝先にケンカをしておく〟つまり相手にとって不利益・不都合なことを最初に提示するようにしましょう。ビジネスにおいてお客様の意に添い続けることはないはずです。後々になって不快な気持ちにさせてしまうのなら、最初に〝ケンカ〟しておくべきなのです。
 そこで大事なのが「第一印象」。人の第一印象はわずか0.3秒で決まってしまうと言われています。しかしその後の15秒でその印象は変えることができます。ここで相手に好印象を与えておくと、これから起こるであろうビジネス上の不都合も改善していくことができるのです。
 余談ですがCAという仕事は黒子です。搭乗されたお客様がいかに快適に旅立たれるかをお手伝いするのが仕事です。だから当時、憧れの職業として面接には実に多くの応募者がいましたが、女優さんのように煌びやかな出で立ちの方は誰も選考に残りませんでした。相手に与える第一印象とは、それだけ大きなものなのです。
 次に、ビジネスマナーにおいて大切な「挨拶」「身だしなみ」「言葉遣い・態度」についてお話しますが、最後にもう一度お伝えします。ビジネスマナーとは潤滑なコミュニケーションを図ることが目的です。これを読まれたみなさんの仕事中の気持ちが、少し楽になっていただければ幸いです。



Lesson01_正しい挨拶


まずは挨拶で相手に好印象を残しましょう

 ビジネスマナーにおいて、最も重要なのが「挨拶」です。なぜなら、人の印象を変えることのできる15秒という短い時間において、唯一それを可能にするのが挨拶だからです。私のCA時代は、搭乗いただいたお客様に「ありがとうございました」だけでなく、CAそれぞれがオリジナルの挨拶を考えていました。それは、「ありがとうございました」だけをロボットのように繰り返していると、並ばれている前後のお客様もずっと同じ言葉を耳にすることになるからです。挨拶はこのように、刹那的に人の印象を決めてしまいかねません。まずは正しい挨拶を心がけましょう。
 ちなみに、初対面の人と挨拶した後、名前を覚えられないことってありますよね。だからいただいた名刺を脇に置くのがビジネスマナーになっています。これは覚える気がないからです。欧米では初対面の人の名前を覚える訓練を行います。だから30名程度の名前なら一度に覚えることができます。あなたも相手の名前は覚えるようにしましょう。方法は簡単です。覚えようと思うことです。心の中で相手の名前を言うと、自然と口からも名前が出るものです。ただ、ビジネスにおいては名前を呼ばれると困る方(VIPなど)もいらっしゃるので、そこはケースバイケースです。

まずは挨拶で相手に好印象を残しましょう


あいさつは自分から積極的に

挨拶で絶対にしなければならないのが「自分から」ということ。日本人の特徴としてよく会合などの場に出席して「誰も何も言ってくれなかった」「誰も声をかけてくれなかった」ということがありますが、全員が「自分から」挨拶するというのが基本です。そうすればそのような悲しい思いをすることもなくなります。「こんにちは」でも「はじめまして」でも「先日はありがとうございました」でも何でもいいんです。会うのが2回目なのに「はじめまして」と言ってしまったとしても、「そうでしたよね」とそこから会話が生まれます。そうして帰り際には「ありがとうございました」を忘れないようにしましょう。


挨拶の後はくだらない話で15秒を稼ぐ

15秒で人の印象は変えられると前述しましたが、挨拶だけではまだ15秒に足りません。そこで大切なのが「くだらない話」です。くだらない話とは、誰のプライバシーにも入り込んでいない話のことです。これは深い人間関係を築くためではなく、いかに好印象を残すかのためのものなので、天気や交通機関、季節に応じた話題を振りましょう。政治や宗教、スポーツ(カープファンじゃない人もいますから)の話題はNGです。その15秒が終われば仕事に没頭してOKです。交通機関に関して話題に乏しい人は、家から会社までの通勤中に道を観察してみてください。そうするといろいろなことに気づくはずです。○○で事故があった、○○に新しいお店ができた、そうした話題を毎日少しずつ蓄積していくことで、万人が共有できるトピックを会話の中に盛り込むことができるようになります。


どんな気分の時も筋肉で笑顔を作る

挨拶においてもうひとつ大事なこと、それが「笑顔」です。ビジネスシーンでは、ハートが笑顔じゃない時だって、笑顔にならないといけません。だから笑顔はハートではなく、筋肉で作るのです。鏡の前で、口元を隠して笑顔になってみてください。口の筋肉を上げるだけで目元も笑顔になるはずです。ハートが疲れている時も、筋肉でなら笑顔が作れます。そして、笑顔が作れるとハートも元気になって来ますよ。


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Lesson02_身だしなみ


第一印象は0.3秒!

 着ているものは変えられないので、身だしなみには注意が必要です。その一瞬で相手からの印象が決まってしまいます。ただ、ヘアスタイルなどきちんとしすぎていると逆に正しくない業界や仕事もあります。大切なのはあなたが働いている業界に合っているかどうかです。自分ではあまり気づかない点で言えば、香水のつけすぎには気をつけましょう。また、女性の方はツメにも気を配ってください。割れていたりマニキュアが剥げかけていたりするのは良くありません。男性の方もツメは短く切ってあるか確認しましょう。加えて耳の中もキレイになっているかを見落とさないでください。



清潔な服装を心掛ける

「オシャレ」とは自分のためのものですが、「身だしなみ」とは相手のためのものです。この違いを理解し、常に清潔感ある服装を着こなしましょう。会社の雰囲気や年齢、仕事内容によってOKとNGのラインは異なってきますが、服装によって、あなたが周りの状況を見て的確な判断ができている人間か、身だしなみの重要性をわきまえている人間かを見られています。まさに外見は内面を表しているということを忘れないでください。


会社・業界に合ったメイクを

例えば医療関係者は衛生上の問題もあるので派手なメイクはできないと思います。このように適当なメイクというのは会社や業界によって様々で、ナチュラルメイクもやや主観的な言葉になってきます。アイライナーが太すぎていないか、エクステを着けても大丈夫なのか等、基本的なことに注意し、あなたが働く業界に合ったメイクを心がけてください。


意外に見落としがちな「口臭」

ホテル業界の方は時間があれば歯磨きを欠かしません。これも業界によって差異はあれど、食事の後は必ず歯磨きするようにしましょう。タバコの匂いや二日酔いの酒臭さなど、自分では気づかない匂いも相手を不快にさせるので注意しましょう。


仕事にふさわしいヘアスタイル

飲食業界の方は、髪の毛が額に掛からないのは当然ですが、髪の色もオフィスの雰囲気に合った色、会社の規定に沿ったものにしましょう。ですが、「その色はあまり好ましくない…」と思っていてもなかなか注意できないもの。そういう場合は会社側が「髪の色はこげ茶または黒」など決めてしまった方がスッキリします。


身だしなみCheck!


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Lesson03_言葉遣い・態度


正しい言葉遣いは大切なビジネスマナーのひとつ

 言葉遣いでもっとも大切でもっとも言えないのが「申し訳ありません」です。よくあるのが「○○が立て込んで時間が取れず申し訳ありません」というようなケース。自分の理由は相手には関係ありません。それは自分を正当化しているだけです。この場合は「私がすぐに対応しなかったためにお時間を取らせ申し訳ありません」のように、自分の過失により相手を困らせてしまったことのみを謝罪しましょう。謝罪のポイントは、相手が振り上げた拳を下ろす場所を作ってあげること。自分の事情を挟むことなく謝罪することで、すぐに解決へと向かうはずです。

言葉遣い_img


「かしこまりました」の復唱を

接客などでは「かしこまりました○○ですね」と復唱するのがポイント。飲食店でのオーダーで復唱しない方がいらっしゃいます。おそらくこちらに時間を取らせたくないという思いやりからだと考えられますが、いざ復唱してみると意外とできないものです。復唱すると、相手は自分の言った事が相手にきちんと伝わっていると安心し、また、 その場ですぐにミスに気付くなど、正確さと、時間短縮に繋がります。


「お◯◯」の使い分け

言葉の頭に「お」を付けると丁寧な表現になりますが、カタカナや固有名詞には付けないので注意しましょう。「お紅茶」はOKです。動詞にも「お」を付ければ大丈夫です。たとえ「召し上がってください」が出てこなくても「お食べになってください」と言えば丁寧に聞こえます。それから「請求書」も、相手から見てか自分から見てかによって異なるので「請求書」でも「ご請求書」でも可です。だから「お」+名詞or動詞は便利なのです。敬語の使い方を間違えてもうまくいくことは多いです。大事なのは相手に丁寧だと感じてもらうこと。


メールでのあるある

ビジネスメールを送るときにやってはいけないのが「?」を付けること。日本語に「?」はありません。「!」もNGですが、中には「!」を付けた方が良い相手っていますよね。それこそが「business behavior」です。国語の正しさで熱意が失われたのでは本末転倒。目上の方でなければ、相手の文章に「!」があれば、こちらも付けていた方が良好なやり取りができることも。


態度も大切

最後は態度について。接客業の方などは、目線を相手の高さに合わせるのは当然ですが、後ろから話しかけたりしないでください。また、社内においても誰かの仕事中に話しかけなければならないなら、「お忙しいところ失礼します」などの声かけは忘れずに。ノックもきちんと聞こえるようにするのがポイントです。また、あなたが管理職なら、部下を呼ぶときはあなたも部下の側に行って声をかけましょう。ちなみに社外の人と話すときは、上司も部下にパフォーマンスとして敬語を使うのが正解です。


接客7大用語


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先輩女子のホンネ
※はたじょとは、働く女性ならではのリアルで感度の高い声を活かして、アンケートや体験レポート、
モニタリングなどに積極的に参加してくれる女性が集うトマトコーポレーション読者限定のメンバー組織です。



上司・先輩の立場から職場でのマナーをアドバイスするなら
一番に何を伝えたいですか?


誰にでもきちんと挨拶をすること。
学びたい姿勢を見せる。特にすることなく、ボーとするのではなく、何かしら雑用でもできることがないか周りに伺うなど。
服装や髪型。
確認が1番大事。
5S(整理、整頓、清潔、清掃、しつけ)
10分前行動。
時間、期限の厳守。
受け応えの態度が大切。
スタッフの一員である自覚、協調性。
雰囲気大事、笑顔で。
謙虚でいてほしい。
言葉づかい。
ホウレンソウの遵守。
挨拶は自分から!
挨拶は笑顔で。小さい事でも報連相しておけば、ある程度トラブルは回避できる。
挨拶、報告連絡相談が基本。
人に失礼のないように。
1番は丁寧な言葉遣い、挨拶だと思います。
飲み会の作法。
円滑なコミュニケーションが仕事の能率を上げると思うが、職場の同期、先輩、上司は友人ではない。例え親しくなったとしても、職場の方には「仕事相手である」ことを念頭に置いて接するのが気持ちの良いマナーだと思う。
私的な感情を持ち込まないこと。
とにかく笑顔!そっけない態度をとらない。
感情を露わにして自己中心的になってはいけないと伝えたい。
自分から進んで仕事をみつけてほしい。分からないことがあればいってほしい。
あいさつ、お礼。
自分がまずお手本となって実践する。
会社は常に団体行動なのを忘れずに!
社会人として恥ずかしくない言動と振るまい。
教えてもらっていることをまず感謝して欲しい。当たり前のことではなく、先輩も手を止めて教えてくれていることを理解して、お礼を伝える。
率先して気が進まない事でも元気よくやる。
まずはあいさつ!そして、相手の気持ちを考えた対応を。
…など


職場にて社会的常識がないなと感じた行動と言動は?

入社1年目や2年目なのに、廊下ですれ違っても挨拶がない。
男性社員にはペコペコするのに唯一の女性社員の私には知らん顔で挨拶しない。ポケットに手を入れたまま会話してくる。
つい最近入社してこられた40代男性。出社時間になっても来られないので上司が電話したところ、体調不良とのこと。それならそれで連絡をするべき。
挨拶をしない、職場の人のプライバシーに関わる事を人に話す。
オフィス内勤務初めての後輩が、ナマ足で出社。ほかの部署の方から指摘されたので、それとなく伝えると、靴下はいてもだめなんですか?と…。
無断欠席。
私語とコミニュケーションをはきちがえてる人。
敬語が使えてないことを普通だと思ってる人。
勤務シフトを許可なく勝手に変更して、お客様や職場のスタッフに迷惑をかけてしまったにも関わらず、すみませんの一言もなかったこと。
何も言わず定時で帰った。
呼んでも返事をしない。
ホウレンソウがどうしてもできない方がいた時、「どうして?」と聞くと、「する必要あります?」と言われた時。
何かをしてあげたのに当たり前って顔をされた時。
電話の受け答え方。
機嫌の悪い態度を表に出す。
挨拶をしない。正しい言葉遣いができない。同僚の悪口を言う。
悪口、陰口を言って人を不愉快にさせる人がいると、仕事が円滑に進まない。
言葉づかいが馴れ馴れしい。
有給休暇を当日ラインで申請すること。
この仕事は自分がやることじゃないと、他の人が忙しかろうと、やらない。(プライドが高すぎて、こんなことやらされるほど自分は暇じゃないとの態度)。
挨拶しない新人がいるのに、上司は注意もしなかったことに驚きが隠せませんでした。
接客でお客様が近くにいらっしゃるのにお構い無しで肘をつく。
ミスをおかした時の謝罪の言葉がない。
勤務中にもかかわらず、歳の近い上司をあだ名で呼び、終始タメ口で話しかけている人。それについて全く注意せず、それどころか勤務時間中にも私的な会話を交わす上司。
挨拶ができない人、無断欠勤する人、ホウレンソウができない人。
思いやりがない。
いつもぶすっとしている。
ネガティヴな発言ばかりして周囲の雰囲気を暗くすること。
時間を守れない、万が一の場合に事前連絡がないこと。
あの人のせいでこうなったとか人のせいにすることです。
…など

※「はたじょ」調べ ●調査期間/2018年3月2日〜6日
●年齢/20〜29歳 19%、30〜39歳 49%、40〜49歳 29%、50歳以上 3%




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