〜企業理念〜
他人(ひと)を喜ばせて自分も喜ぶ
各種海苔製品の製造・販売を行う「丸徳海苔株式会社」。約50名のスタッフは女性が多いということもあり、社内は和気藹々とした雰囲気。商品開発部というものが存在しない同社ですが、そうした仲の良さゆえ普段の何気ない会話の中から新商品のアイデアが生まれることもあるそうです。また、以前から工場見学などで海苔文化の発信を行ってきた中、2015年には社屋1階に直売所を新設、限定商品なども購入できるとあって賑わいを見せています。「これまで卸中心でしたが、直売所ができたことでお客様との距離がグッと近づきました」と濱野さん。そんな直売所で好評なのが『旅する大試食会』と題されたイベント。これは、世界各国の料理と海苔とのマッチングを月に1回楽しめる試食会で、日本では馴染みのないメニューも提供されるとあって喜ばれているそう。ちなみに毎回のメニューはスタッフが膝を突き合わせて考えた自信作で、試食会のチラシもスタッフ自らがポスティングを行う力の入れようです。さらに、年に1回開催される『海苔祭』も大人気のイベント。海苔の詰め放題や特製海苔汁のもてなし、さらには海苔ガチャの設置など、ユニークな催しが話題を呼び、前回は2日間で約3000名もの来場者がありました。これらのイベント内容を考えるのも、もちろん同社スタッフ。準備には相応の労力が必要ですが、消費者と直接触れ合える喜びと、アイデア次第で食べ方の広がる海苔の汎用性を伝えたいという使命感が、全スタッフを突き動かす源なのだとか。お中元やお歳暮前には決起大会と称した余興も盛り込んだ飲み会が恒例の同社。自らも楽しむその姿勢が、イベントや商品開発に良い作用をもたらしています。
昭和63年、初代・濱野徳三さんが中心となって開発された「海苔自動火入れ乾燥ライン」。それまで火入れの作業は重労働で、女性や高齢の方には骨の折れる仕事でした。しかし、このラインの開発により、力が要らなくなったばかりか大幅な作業効率化が図れたそうです。実は濱野さん、海苔業界の発展のためにと、海苔自動火入れ乾燥ラインの特許を更新しませんでした。その思いは実を結び、現在、同ラインは海苔業界のスタンダードになっています。こうした実直で真摯なモノづくりの精神は現在のスタッフにも脈々と受け継がれ、丸徳海苔は広島市初の地域産業資源活用事業計画認定や、ザ・広島ブランドの認定など、各方面から高い評価を受け続けています。熟練の技と新しいアイデアの融合…私たちの食卓に並ぶ1枚の海苔には、そんな情熱や物語が詰まっているのかもしれません。
1949年に創業し今年で69年目を迎えます。海苔屋として、海苔を含めた日本の伝統的な食文化を守り伝えていくだけではなく、時代の流れを汲み、新たな価値としてお客様のライフスタイルに取り入れて頂けるような商品、ちょっと驚きと笑顔の生まれる商品のご提案がテーマです。産地の顔が見える安全な素材と化学調味料無添加に極力こだわり、これからも皆様の食卓に安心をお届けします。