各専門分野のドクターが解説!いざというときに役立つ “いま知っておきたい”症状別対策コラム

この記事は2025年10月30日に作成および更新したものです。
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忙しい毎日の中で、なんとなく感じる不調や、気になっていた体のサイン。 「これって年齢のせい?」「病院に行くほどでもないけれど…」と見過ごしがちな“ちょっと気になる”ことを、今回は医師の視点からわかりやすくお届けします。

健康や美容に関する情報があふれる今だからこそ、本当に信頼できるアドバイスをプロの知識とともに、日々の暮らしを整えるヒントを丁寧にご紹介します。

カラダとココロに、ほんの少し目を向ける時間。“わたしらしく”過ごすための第一歩を、はじめてみませんか?


いびき・睡眠時無呼吸症候群

そのいびき、からだのSOSかもしれません

● いびきと無呼吸の違い

いびきは、眠っている間に空気の通り道(上気道)が狭くなり、呼吸のたびに周囲の組織が振動することで起こります。原因は人によってさまざまで、肥満や加齢による筋肉のゆるみ、鼻づまり、あごや舌の位置、アルコール摂取、寝る姿勢などが関係します。たまにかく程度のいびきであれば大きな問題はないこともありますが、毎晩続く場合や音が大きい場合は注意が必要です。
一方、無呼吸とは、一般的に眠っている間に呼吸が10秒以上止まる状態を指します。これが一晩の間に繰り返し起こる場合、「睡眠時無呼吸症候群」と呼ばれます。無呼吸は呼吸の停止によって酸素が不足し、体に負担をかけるため、放置するとさまざまな健康障害につながります。

● 違いと注意点

いびき:音が鳴っていて、呼吸はできている
無呼吸:呼吸そのものが一時的に止まるのと同時にいびきの音も止まる(危険度が高い)

いびきは必ずしも病気とは限りませんが、無呼吸は放置すると高血圧や心疾患、脳卒中など深刻な健康被害を招く恐れがあります。「ただのいびき」と思っていたら実は無呼吸だった、というケースも珍しくありません。気になる症状や周囲からの指摘があれば、早めに医療機関で検査を受けることが大切です。

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取材協力/今井耳鼻咽喉科
今井 崇勝院長

帝京大学医学部卒業後、広島で研修を積み、広島以外に関東や沖縄県で経験を積む。日本耳鼻咽喉科学会専門医/日本気管食道科学会専門医/日本耳鼻咽喉科学会・日本気管食道科学会・日本アレルギー学会所属


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尿もれ

40歳以上の女性の4割以上が経験する「尿もれ」

● 女性の多くが悩む“尿もれ”。その原因は主に2種類

【1】切迫性尿失禁
急に強い尿意を感じ、トイレに間に合わずもれてしまうタイプ。原因は膀胱の勝手な収縮や、骨盤臓器脱によることもあります。
【2】腹圧性尿失禁
咳・くしゃみ・重い物を持つなど、お腹に力が入ったときにもれるタイプ。出産や加齢で骨盤底筋がゆるむことが主な原因です。

● 尿もれ(尿失禁)の治療法は、さまざま

【切迫性尿失禁】にはお薬による治療に加えて、生活指導や膀胱訓練、骨盤底筋体操などの行動療法を併用するのが有効です。また、難治性のものに対しては電気・磁気刺激療法、ボツリヌス毒素注入療法や手術療法を検討していきます。【腹圧性尿失禁】は、軽いものであれば骨盤底筋体操で改善が期待できます。生活習慣の改善も大切です。お薬では改善しない場合や重症の場合は手術療法を検討していきます。

当院では従来の治療に加え、「フォトナ社製インティマレーザー」、また、中国地方で唯一となる「スターフォーマー」による治療が行えます。当院は、「自分の家族だったらどうするかという視点で考えること」を理念に、一人ひとりの患者さんと向き合えるクリニックを目指しています。毎週水曜午後は女性婦人科医師とともに女性専用外来もございますので、相談しにくい尿もれなどのお悩みは、我慢せずお気軽にご相談ください。




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取材協力/泌尿器科医
正路 晃一院長

広島大学卒業。泌尿器科医師として20年以上、大学病院や基幹病院に勤務。2021年に広島駅前泌尿器科クリニックを開院。


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取材協力/産婦人科医
正路 貴代副院長

広島大学卒業。産婦人科医師として20年以上活動。現在は市内基幹病院勤務、広島駅前泌尿器科では毎週水曜日午後の婦人科外来を担当。


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気管支喘息

その症状、「気管支喘息」かもしれません

長い間咳が止まらない、喘鳴(息を吐くときにするゼィゼィ、ヒィーヒィーという音)などがあれば気管支喘息かもしれません。温度差がある部屋移動や、運動したとき、人と話しているときなどに咳が出て止まらない等の症状があれば可能性があります。花粉症等アレルギー疾患を持っている人は更に可能性が上がります。

● 気管支喘息はアレルギー疾患です

もともと気管支喘息の方は気道にアレルギー性の炎症があり、刺激(運動、気温差、アレルギー性物質、人との会話等)が入ると気道粘膜が腫れたり気管周囲の筋肉が縮んだりすることにより気道が細くなります。そうなると咳き込んだり、痰が出たり、息苦しくなったり、喘鳴がするようになります。
気管支喘息の診断は、「スバイロメーター(肺機能)」「呼気NO濃度測定」や胸部レントゲン写真などで行われます。気管支喘息の方は閉塞性換気障害を起こし、呼気NO濃度値が上がります。自分は気管支喘息かもしれないと思われた方は呼吸器内科専門医へ受診検査を受けてみましょう。

● 気管支喘息の治療

喘息の治療は吸入ステロイド薬が第一選択薬です。ステロイドと効くと余り良い印象を持たれないと思いますが、吸入薬で使う量は少なく、内服のステロイドや点滴のステロイドに比べると全身性の副作用が少ないメリットがあります。ただ、それでもコントロール不十分な場合があります。その場合は違う種類の吸入薬を追加したり内服薬を追加したり、最近は生物製剤(抗体製剤)を使うこともあります。詳しくは呼吸器内科専門医へ相談してみてください。
気管支喘息は人にうつすことはないのですが、ある意味体質の疾患なのでしばらく医療機関に通う必要があります。症状が良くなってきたら薬を減らしたりして経過を診ます。自己判断で治療中止せず主治医の指示に従い治療を受けましょう。

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取材協力/さくらい内科アレルギー科クリニック
櫻井 穣司院長

H7.広島大学卒業、その後広島大学病院呼吸器内科へ入局/H24.さくらい内科アレルギー科クリニックを開業/医学博士、日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医


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