■プロフィール/東京藝術大学音楽学部邦楽科長唄三味線専攻卒業。皇居内・桃華楽堂にて御前演奏を務める。川東陽華長唄三味線教室「華扇会」を主宰。2025年開催【大阪・関西万博】開会式オープニングセレモニー「祭」に出演。
【Instagram】@haruhana.k
働く女性の本音_vol.144_川東 陽華さん
音に心をのせて。
長唄三味線の魅力を伝え続ける。
三味線に惹かれた始まり
静かな空間に凛とした三味線の音が響きます。その音色には、どこか懐かしく、心にすっと届く不思議な力がありました。
川東さんは幼い頃から和楽器に親しむ家庭で育ち、自然と日本の伝統芸能に惹かれていきました。特に長唄三味線の音色や独特の世界観に強く心を奪われ、「江戸時代から受け継がれてきた芸能を次の世代に伝えたい」という思いが、現在の道を選ぶ大きなきっかけになったそうです。三味線の響きに触れるたび、そこに込められた歴史や人々の想いを感じ、自分もその流れの一部になりたいと強く思うようになったといいます。演奏活動を続ける中で、お客様から「感動しました」と声をかけられるときが何よりの喜び。舞台で音や空気感が伝わったと実感できる瞬間です。また、個人指導の生徒が長唄の楽しさや奥深さを語り、10年以上続けて成長していく姿を見ることも、大きな励みになっているそうです。
「正しさ」から「伝わる演奏」へ
川東さんは、和楽器に限らず様々なジャンルの音楽家との出会いから刺激を受け、表現の幅が広がることも活動を続ける力になっていると語ります。根底には、昔から続く長唄三味線の魅力を現代の人にも届けたいという思いがあり、「応援していますよ」という言葉に励まされ、続ける力をもらっているそうです。
一方で、思うように演奏できなかった時や、古典だけで楽しんでもらえるのか迷う時には、心が折れそうになることもあると率直に話します。それでも続けられるのは、三味線が好きで、演奏に込めた想いが誰かの心に届く瞬間が確かに存在するからだといいます。川東さんは、演奏に向き合う価値観の変化についても触れ、かつては「正しく演奏すること」を大切にしていましたが、今は「どう伝わるか」「心が通うか」を意識するようになりました。
技術だけでなく、人としてどう向き合うかが演奏に表れると感じ、その気づきが表現の深さにつながっているそうです。好きなことを仕事にし、三味線の魅力を伝え続けられることに満足しつつ、仕事とプライベートの境が曖昧になりやすいため、休むことも仕事の一部と考えて、心と体を整える時間を意識的に取っています。
静かな時間を持つこと、自然や動物と触れ合うこと、そして練習に集中する時間が、自分の呼吸を取り戻し、また前に進む力を与えてくれると話します。川東さんは、「迷い立ち止まることは悪いことではありません。自分のペースで大切にしたいものを見失わずに進むことが、長く続けるために大切だと思います」と穏やかに語ってくれました。
そう語る藤野さんの美しい声と穏やかな笑顔が、とても印象的でした。
● 編集部より
パッとその場の空気が変わる、長唄三味線の美しい響き。演奏には技術だけでなく、心をこめることの大切さを感じる時間でした。
《 もし、20代の自分に戻れるなら伝えたいことは? 》
あの頃は焦っていた。力が入っていた。そんなに急がなくても大丈夫だよ。ちゃんとあなたの「歩幅」で進んでいるよ。
今の迷ったり苦しんだりしている時間も、これからの自分を作る大切な時間になっているよ。
♥ 働き女子に10の質問 ♥
Q1. このままでいいのかな、と思った瞬間は?
迷いがあるからこそ自分を見直して、自分が成長できていると思っています。
Q2. 仕事を続ける理由は?
積み上げて大切にしているものが、どなたかに届いた時に、続けてきて良かったと思えるから。
Q3. 働く私が大切にしている「これだけは譲れない」ことは?
舞台でも、おけいこでも、ただ形をなぞるのではなく、相手にきちんと伝わること、心が通うことを大切にしています。
Q4. うまくいかない日の心の立て直し方は?
おけいこをしたり、歩いたりして自然とふれあうようにしています。
Q5. 最近ハマっていることは?
綺麗な景色を見に行ったり、おいしいものを食べたりします。。
Q6. 最近のリフレッシュ法は?
Q7. 座右の銘は?
今を大切に生きることです。
Q8. 最近、心が動いた出来事は?
その時、「演奏に感動しました。」「長唄は素晴らしいですね。」「和楽器が心に響きました。」というお客様の言葉をいただき、励まされました。
Q9. 何気ないけれど、一番幸せな時間は?
Q10. 10年後は何をしている?
演奏することも教えることも深めながら、自然に人の心に届く表現を続けていたいです。











































