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【2023-新春スペシャル企画】これからの広島は…松井広島市長に聞く
続くコロナ禍に戦争など不安が募った2022年。
一方、G7サミットの開催が決まるなど
広島市に暮らす私たちにとっては明るい話題も。
世界から注目される広島市は今、どのように変わり
そして私たち市民にどのような変化をもたらすのか。
今年も、昨年に続き松井一實広島市長に
2022年の振り返りと2023年をいきいきと
過ごしていくための力強いメッセージをいただきました。
Q1:2022年の広島市を総括すると?
▶︎ 国際平和文化都市・広島の使命を実感した一年
2022年は、年明け以降オミクロン株が流行しコロナ禍が依然として続きましたが、感染拡大の防止と社会経済活動の両立を図りながら、徐々に平常時の生活を取り戻せたように思います。まちづくりに関しては、広島駅周辺地区の再整備に向けた工事とともに、中央公園においては、サッカースタジアムや旧広島市民球場跡地の整備に着工するなど、コロナ禍後を見据え、広島内外から多くの人が集い交流し、にぎわうまちづくりを着実に進めることができました。また、5月には、2023年のG7サミットが広島で開催されることが決定しました。G7各国が、世界の平和と持続的な発展に向けた対話の場所として広島の地を選んだことは「国際平和文化都市」としての広島の発信力を重視したことの表れであり、広島開催には大きな意義があります。一方で、世界に目を向けると、ロシアによるウクライナ侵略が、核兵器使用への懸念や、人類存続の危機に陥りかねない不安を招きました。平和のありがたさを実感できる世界を次世代に引き継ぐためにも、市民一人一人が日常生活の中で平和について考え、行動する「平和文化」を社会に根付かせることが、ますます重要になったと思います。8月に開催した「第1回ひろしま国際平和文化祭」や11月の平和文化月間の取組などを通じて、平和への思いを一つにする世界の都市の連帯の下、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を願う社会を形成することが、広島の使命であると改めて実感した年でした。
Q2:新スタジアム、紙屋町、八丁堀、広島駅前…どうなる?広島市のまちづくり
▶︎ 楕円形の都心づくりを推進中
本市では、広島駅周辺地区と紙屋町・八丁堀地区を都心の東西の核と位置づけ、都市機能の集積・強化を図ることにより、相互に刺激し高め合う「楕円形の都心づくり」を進めることとし、そのことを県市で策定した「ひろしま都心活性化プラン」において、明らかにしているところです。東の核であり、陸の玄関口である広島駅周辺地区では、再開発ビルが完成するとともに、広島高速5号線の整備(令和6年度全線完成予定)が進んでいます。その中心となる広島駅については、広域的な交通結節点としての機能を強化していく必要があるため、現在、南口広場の再整備を進めています。西の核である紙屋町・八丁堀地区の一角にある中央公園では、旧広島市民球場跡地において、民間活力を最大限活用して、イベント広場や来訪者が気軽に立ち寄れる飲食物販店舗を一体的に整備することとしており、中央公園広場においては、広島の新たなシンボルとなるサッカースタジアムの建設を進めています。また、都心活性化のリーディングプロジェクトとして、基町相生通地区第一種市街地再開発業も推進しており、これらの公的・官民連携のプロジェクトを着実に進め、民間投資も呼び込みながら、中四国最大の業務・商業の集積地にふさわしい街並みを実現したいと考えています。
Q3:健康寿命を延ばすために
▶︎ 健康づくり計画を改定し、さらなる健康寿命の延伸を目指します
平成28年の本市の女性の健康寿命は、政令市最下位でしたが、直近である令和元年では、男女ともに健康寿命は延びており、男性は政令市3位、女性は政令市9位という嬉しい結果でした。本市では、健康づくり計画「元気じゃけんひろしま21」を策定し、健康寿命の延伸を目指して、がんや循環器疾患等の生活習慣病の予防など、ライフステージに応じた健康づくりを推進しています。特にここ数年、各種健康診査(検診)の受診率の向上や生活習慣病の予防に重点的に取り組むとともに、高齢者については、「いきいき百歳体操」や「高齢者いきいき活動ポイント事業」等を通じて、健康増進と社会参加の促進を図るなど、市民の主体的な健康づくりを推進してきました。これらの取組により、市民の意識が変わり、健康寿命の延伸に良い影響を与えたのではないかと考えています。一方で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、テレワークの導入や外出機会の減少など、市民の生活環境の変化が、食生活や身体活動、睡眠等、様々な生活習慣に影響を与えており、本市が令和3年度に実施した調査においても、1年間の変化として運動時間の減少や体重の増加、ストレスの増大、特に女性は、睡眠時間の減少等があることが分かっています。これらを踏まえ、今後は、手軽に実践できる運動や、より質の良い睡眠を得るための日中の過ごし方等、コロナ禍の生活習慣の変化を踏まえた健康づくりの普及啓発に取り組むとともに、令和5年度には、「元気じゃけんひろしま21」を改定し、更なる健康寿命の延伸を目指して、市民や地域団体等の皆さんと一体となって健康づくりを推進したいと考えています。
Q4:G7サミットへ向けて
▶︎ 意義深いG7サミットで広島の「平和文化」も広めたい
広島開催は、ウクライナ情勢が緊迫化し、核兵器使用のリスクが懸念され、また、人類存続の危機に陥りかねない情勢の中で、まちづくりの最高目標となる都市像として「国際平和文化都市」を掲げるこの広島に決まりました。こうした状況の中で核保有国を含む主要国の首脳がこの地に集い、本市が取り組む核兵器のない平和な世界を願う「ヒロシマの心」に触れながら対話することは大変意義深いものと考えています。また、世界の注目が集まるこの機会に、広島の発展を支えた活力溢れる産業、豊かな自然、多彩で美味しい山海の食資産、歴史が紡いだ文化や暮らしなど、先人たちが築き上げてきた広島の魅力をしっかりアピールすることにより、広島の「平和文化」を世界中に広めたいと考えています。全ての人に「広島で開催されて良かった」と思ってもらえるよう、広島サミットの成功を目指します。
Q5:2023年、この街で明るく日々を過ごすためのメッセージを!
▶︎ 新たなまちの姿を楽しみにお待ちください!
新型コロナが発生して4年目を迎えますが、今年こそは、市民生活や経済活動を平常時に戻したいと考えています。5月には、G7広島サミットが開催されます。世界の大国の為政者が、この広島の地に集い、被爆の実相に触れ、核兵器廃絶に向けた決意を固めるチャンスです。また、サミットに関連した行事も開催し、広島内外の多くの人に平和を考えてもらう機会にしたいと考えています。都心部については、広島駅ビルの建て替えと連携して、南口広場の再整備や路面電車の駅前大橋ルートの新設工事を、中央公園においては、旧市民球場跡地の整備を進め、イベントが常時開催される広場や飲食物販施設を3月末に供用開始するほか、令和6年2月の供用開始を目指してサッカースタジアムの建設も進め、徐々に新たなまちの姿が見えてきます。今年の干支は卯(うさぎ)です。広島の地で開催されるG7サミットや関連行事を追い風に、広島広域都市圏を光り輝く都市圏に、いわば「憂(うれ)いなく 幸先(さいさき)の良い 銀河(ぎんが)系」へと発展させていきたいと思っています。