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教会の結婚式/広島から島根・松江の教会を訪ねて
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若葉の美しい季節になりました。
多くの女性が憧れる、6月の結婚式「ジューンブライド」のシーズンも、まもなくやってきますね。
教会で結婚式を挙げられる方もおられるのではないでしょうか?
このたび筆者は島根県松江市へ。
旅の中ではカトリック教会を訪問する機会もありました。
松江市にある「カトリック松江教会」は、松江市の皆さんが祈りを捧げる場であり、結婚式を挙げる場所でもあります。
教会とはどのようなところでしょうか。
「カトリック松江教会」の訪問記をお届けします。
▼この記事を読んで分かること
◎教会での「結婚講座」とは?
◎教会での結婚式について。
◎カトリック松江教会の訪問記。
この記事を読めば、「カトリック松江教会」と「教会結婚式」についてわかるので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 教会を訪問したきっかけとは?
久しぶりに県境を越え、広島から車で片道3時間の「島根県松江市」を旅してきました。
私はカトリック信徒のため、国内外の旅先でもカトリック教会を訪問する機会が多いのです。
今回は、松江城から徒歩5分の母衣町にある「カトリック松江教会」を訪ねました。
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※左下にカトリック松江教会が見えます。
『愛と喜びのある結婚をするということ』の監修をしてくださる福田誠二神父様が、松江教会の主任司祭でした。
福田神父様が、広島の「カトリック三篠教会」へ転任される直前に、私は松江教会を訪れてみました。
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2. カトリック松江教会を訪ねて
教会での結婚式とは?
〔カトリック松江教会〕
今回は、「結婚式の司式」もされている、福田神父様に、カトリック松江教会について伺ってみました。
●この1年間、カトリック松江教会で挙げられた結婚式は、どのようなものでしたか?(ライター:山田)
福田神父:「コロナ禍でしたが、松江教会では二件の結婚式が行われました。
まずは、教会で結婚を挙げることを希望される二人が電話などで連絡してこられます。
今回は新婦になられる方が松江教会のカトリック信徒さんで、新郎になられる方が、いわゆる”未信者=カトリック信徒ではない一般の方”でした。
カトリック教会の規定通り、司祭とお二人で『結婚講座という勉強会』を行うことになります。
お二人とも仕事を持っておられますので、お二人と司祭である私との日時調整をして、四回の勉強会のスケジュールを作ります。
まずは、キリスト教の基礎について、キリスト教における結婚の意義について、および結婚の実際について所定のテキスト及び聖書の結婚に関する重要な箇所を読みながら考え、学びます。
いつかの本ライターさんの『教会での結婚式』に関する記事そのままに勉強を行います。
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四回目の最後の時には、実際の結婚式のリハーサルも行います。
結婚式が行われる予定日の直前の日曜日のカトリック教会のごミサにご両人が出席される場合には、教会の信徒の皆さんに結婚式が行われることを報告し、本人方を紹介します。
多くの場合、日曜日の午後に結婚式が行われる場合が多いのですが、その際にはご家族や友人がたの他にも、所属教会の信者の方々も出席され、喜びを共にされます。
もう一つは、フィリピン出身のカトリック信者の新婦と、アメリカ国籍のプロテスタント教会に属する男性との結婚式でした。
キリスト教信徒同士の結婚式ですが、やはり、御両人の同意を得て同様の四回の『結婚講座』を行うこととなりました。
この場合には、私はあまり英語が得意ではないので、教会の英語の堪能な女性が四回の勉強会で通訳をして下さり、同様にキリスト教における結婚の意味や意義について、聖書も読みながら準備を行いました。
この場合、女性の方はカトリック教徒ですので、洗礼は受けておられましたが、『堅信の秘跡(キリスト教信仰を確かなものとするサクラメント)』がまだでした。そのため、司祭と一緒にカトリック信仰について勉強をし、結婚式の前に教会で『堅信式』をいたしました。
そして、日曜日のミサの中で二人の結婚式を信者の皆さんに報告し、多くの方から祝福を受け、その日の午後に、無事に結婚式を挙げることができました。
新郎・新婦のお二人共に母国ではなく、外国での結婚式でしたし、コロナ禍の下でご家族やご友人は参列できませんでしたが、結婚式がパソコンによってリモート中継され、新郎新婦のご家族が喜びを共にされました。
松江教会では今年はこの二件のみの結婚式でしたが、司祭の私としても忘れることのできない心に残る結婚式でした。」
●ありがとうございます。実際に結婚式の司式をされる神父様のお話しは、これから結婚式を考えておられる方に、参考になるのではないでしょうか?
なお結婚式では、フォトスタジオに写真をお願いすることができます。
- 名称
- スタジオヴィセーヌ・松江イングリッシュガーデン店
- 住所
- 島根県松江市西浜佐陀町330-2
- TEL
- 0852-61-1039
- 時間
- 10:00~18:00
- 定休日
- 火曜日
- ホームページ
- スタジオヴィセーヌ
- スタジオヴィセーヌ・松江イングリッシュガーデン店
神父様が、教会で担う役割について
〔松江教会・内陣〕
●「松江教会で過ごされた、この1年間の司牧で感じられたことは何でしょうか?」(山田)
(福田神父):「松江教会ではこの一年、コロナウイルスの感染拡大により都合二回、合計三か月近い『ミサ非公開(感染防止のために信徒が教会のミサに集まらず、各々家庭で祈る)』の期間がありました。
それでも、それ以外の期間にはミサ後には必ず『キリスト教入門講座』が行われ、7・8人の方々が参加してくださいました。そして『復活祭』(今年は2022年4月17日)のミサの中で『洗礼式』が行われ、4人の方々が洗礼の恵みを受けられました。
〔松江教会・オルガン〕
今回、洗礼を受けられた4人の方々は年齢も職業も各自の生活や人生の歩みも人間としての個性も様々ですが、聖書を読み、教会のミサに与り、教会の他の信者さん方と知り合い、様々な機会に交流される中で、皆さん等しくイエス・キリストに出会ってこられました。
イエス・キリストの復活を祝う復活祭を祝う中で、イエス・キリストの十字架の死からの復活に与る洗礼の恵みを受けられました。
松江教会での一年にはその他にも様々なことがありましたが、復活祭に洗礼式を行う喜びに勝る喜びはなかったように思います。」
●「貴重なお話をありがとうございました。」(山田)
福田神父様は、1年間の松江教会での司牧を終え、4月下旬からは、広島の三篠教会・主任司祭として着任されました。
これからは、広島での司牧、結婚式を担うことになられます。
3. カトリック松江教会の歴史
〔松江教会・司祭館〕
1890(明治23)年、神戸下山手教会のペラン神父が、松江教会の宣教に、小谷伝道婦を派遣しました。
1897(明治30)年には、パリ外国宣教会のアンブレル神父が初代主任司祭として松江に派遣されました。
アンブレル神父は、雑賀町にある三島金之助宅を講義所として、出雲、石見、隠岐をあわせて宣教しました。
1898(明治31)1月には、松江教会初の受洗者が出ました。この年、講義所は内中原に移転しました。
さらに、1901年(明治40)年、内中原より現在の母衣町に移転し、ここに司祭館とコックのための住居が建てられました。このとき主任司祭はレネー神父で、信徒54名でした。
1917(大正6)年、弓削田仙吉氏は自費で伝道場を新設しました。
1922(大正11)年、松江教会はパリ外国宣教会よりイエズス会の担当に移管しました。
1928(昭和3)年、松江教会信徒から初の司祭として都田耕造氏が叙階されました。ひきつづき松江教会から、多くの司祭・修道者が召し出しを受けました。
1949(昭和24)年、日本にキリスト教が伝わってから400年を記念して、聖フランシスコ・ザビエルの聖腕を松江教会にも迎えました。
県知事や松江市長ほか、多くの方々が教会の式典に臨席されました。
1963(昭和38)年には、現在のコンクリート建て聖堂と鐘楼が新築されました。
このときの信徒数は400名に達していました。
1974(昭和49)年には、松江教会の管理運営が広島教区司祭へ移管され、主任司祭も教区司祭が務めるようになりました。
2003(平成14)年6月、新聖堂の献堂40周年を迎えました。
4.まとめ
教会での結婚式について、さらに、筆者が訪問した「カトリック松江教会」についてご紹介しました。
教会での結婚式を挙げる場合の参考になさってみてください。
教会は、全国、そして世界中にあります。
教会はどなたでも自由にお祈りできる場です。
皆さんも、旅先で「神社仏閣めぐり」をされる時、ぜひ教会も訪れてみてください。
きっと新しい発見があると思います。
福田 誠二神父 〔Ex. Professor P. Dr. Stephan Seiji Fukuda〕╱プロフィール
1953年山口県生まれ。1994年聖アントニオ神学院卒業。同年カトリック司祭叙階。2000年ミュンヘン大学カトリック神学部博士課程修了。神学博士。聖アントニオ神学院、清泉女子大学、白百合女子大学、聖母大学、上智大学、聖マリアンナ医科大学で教鞭を取る。元聖マリアンナ医科大学宗教学教授。
現在、カトリック三篠教会主任司祭。カトリック広島司教区教理編纂委員会委員長、司教委員会「諸宗教部門」広島教区担当。広島・幟町カトリック教会エキュメニカル・諸宗教対話神学研究会主宰、広島県宗教連盟理事。
著書及び訳書は『ヨハネス・ドゥンス・スコトゥスのペルソナ神学』(サンパウロ、2002年)、『フランシスカン研究』Vol.1-4 (聖母の騎士社、教友社、2006年~2010年)、ファーガス・カー『二十世紀のカトリック神学』(教文館、2011年)、ハンス・キュンク『キリスト教 本質と歴史』(教文館、2020年)など。その他、学会誌掲載論文、大学紀要掲載論文など多数。