働く女性の本音_vol.58_平山友美さん
平山 友美さん
株式会社平山友美フードトータルプランニング代表取締役/一般社団法人ローカリズム推進楽会代表理事
■プロフィール/福山市出身。慶應義塾大学卒業後、エコール辻・東京の仏料理、伊料理専攻科卒業。同校で日本料理過程修了。製菓、製パン、テーブルコーディネートなど各々の分野で師範免状を取得。料理教室を主宰し、個人事業主の料理家としての経験を積んだ後、法人化。様々なフードビジネスの現場を経験し、2012年、株式会社平山友美フードトータルプランニングを設立。中国新聞での連載の他、行政・商工会などとの刊行物多数。著書に「おうちでつくる絶品広島ごはん」「おうちごはんレシピ」シリーズなど。
自分にしかできない仕事をやってきた。
ここから先は、人材育成も私の仕事。
大学を卒業後、日本語教師として渡米、そこで気づいた『食卓という場は人と人との絆を深めることができる』という思いがフードコーディネーターとしての原点だと語る平山友美さん。そうした場をプロデュースしたいと調理師学校へ進学、自宅で料理教室を主宰するに至りました。教室の趣旨は〝食事の楽しみ方〟そして〝設えの仕方〟。当時こうした料理教室は珍しく、遠く九州から通う生徒もいたほどの人気に。話題性は伝播し、企業からレシピ作成やセミナー講師の依頼が舞い込むようになりました。転機となったのは平成17年に施行された食育基本法。その頃の小売店は顧客が主婦層中心なのに対して男性社会で、女性目線の売場づくりに苦心している時期。食育というものに対して流通業界が模索する中、そこで白羽の矢が立ったのが平山さんでした。「食育の先進国であるアメリカへ視察に行ったり、小売店の従業員にセミナーを行ったり、そこから企業とのお仕事が本格的にスタートしました」。とはいえ業界についてはまだまだ無知。自身の知識に具体性を持たせるため、マーケティングやフードコーディネートを猛勉強したそうです。
現在では、TV各局への調理・撮影協力や新聞への寄稿、食品メーカーとのレシピ開発から展示会提案など実に幅広く活動している平山さん。各専門家とチームを組むことで行政や商工会からの依頼も増え、市町が発行するグルメマップ等の作成にも携わっています。平山友美という表記がなくても、目にする物、手に取る物に関わっていることは多く、例えばそれらをTVで観る瞬間が好きな時間のひとつです。
そんな彼女が代表理事となり14年に立ち上げたのが「ローカリズム推進楽会」。地域の食材・食文化を直接届け発信していきたいと設立し、単にレシピを教えるだけではなく、それぞれ得意分野を持つ講師がバラエティに富んだ食講座を担当することで話題です。こうした活動も加わり生活は多忙だそうですが、それでもフットワークの軽さが自慢と笑顔で答えてくれる平山さん。「これまで、自分にしかできない仕事をやろうと走ってきました。でも〝私にしかできない〟という現実と直面してもいます。広島の食文化を伝え、地元企業が必要としている力になれる人材を育てていくのも、これからの私の仕事ですね」。
■ 働き女子のカバンと中身
バッグ(Sabina Donna)
素材と技術にこだわった日本製の牛革スクエアボストン。いつも持ち歩いている仕事用のファイルがすっぽり入り、かつ外からはコンパクトに見えるのが高ポイント。
フェイスカラー(Elégance)
特にこだわらないコスメにあって、唯一お気に入りなのがこのアイテム。鮮やかな色づきと透明感のある表情へ導いてくれ、疲れている時でも顔色が良くなるのだとか。
国産 蒸した生姜こしょう(イトク食品)
辛いものが好きだという平山さん。自身も開発に加わった生姜こしょうは、細切りと荒おろしの2種のカットによって食感も楽しめ、うどんなどにも手軽にアクセントを加えられます。
おうちごはんレシピ(本分社)
クライアントとの打ち合わせ時にもすぐに取り出し見せることができるため、自著は必ずバッグの中へ。ページを開いたままクリアファイルに挟めるコンパクトなA5サイズも人気の秘密♪
ファイル
テンションが上がるため、名刺やポーチ等ほとんどのアイテムをピンクで統一。ちなみに、お気に入りのペンと紙を使って、このファイルの上で文字を書くのが一番しっくりくるのだそう。