働く女性の本音_vol.94_大津 小百合さん
大津 小百合さん
●天然酵母パン教室 Petit Lis Blanc 主宰
■プロフィール/愛媛県伊予市出身。20歳から看護師として働き、24歳で結婚、広島へ。その後も介護施設や眼科で看護師として勤める。並行して、自ら酵母を起こして作るパンに興味を持ち、勉強をスタート。2017年、酵母パンの教室「Petit Lis Blanc(プチ・リ・ブロン)」を開講。パンシェルジュ検定1級/米粉マイスターインストラクター/米粉パンマイスター/野菜ソムリエ/上級麹士 他。2021年より県立視覚障害者情報センターでも講師を務める。
【Instagram】@petitlisblanc
ゆっくり発酵させた酵母で作るパンを
目の前の人たちに丁寧に伝える
看護師として働く傍ら、4人の子ども達が小さい頃からパンやおやつを手作り。子育てが落ち着いた頃からは本格的にパン作りを学んだと振り返る大津さん。そのうち、自分で酵母を起こして作るパンに興味が湧き、ついには教室を開くまでに至りました。デリケートな温度管理が必要な酵母パン。最初は難しさに悪戦苦闘したそうですが、ゆっくり発酵してくれるスピードに今は慣れたと笑います。ドライイーストに比べ乳酸菌など複数の微生物が働く天然酵母のパンは味わい深く、日持ちが良いのも魅力。こうしたことにパン好きな女性達の関心も高く、無名で始めた教室は開講初日から即満席。今では山口や島根からも生徒さんが通う人気の教室になりました。
一方、コロナ禍で東京の有名な講師が次々とオンライン教室を開講。遠方まで出向くことなく気軽に習えるため「自分は必要ないのでは」と悩むこともありました。「私もオンラインレッスンを取り入れてその良さも実感しましたが、やはり生徒さんと同じ空間で行うレッスンに敵うものはないですね」。今は1ヵ月かけて作る次のレッスンのための試作が大変であり充実した時間。それを美味しいと言ってくれる生徒さんの顔がやりがいの原動力です。
そんな折、縁あって視覚障害者向けにパン作りを教えてほしいという話が。自信はなかったそうですが、幸い眼科での看護師経験を持ち視覚や医療についての知識があったのと、その熱意に打たれ、21年から教室が始まりました。レッスンでは、例えば「生地をここまで発酵させる」というのも目視が難しいため指で触ってもらいます。また、ついつい使ってしまいがちな「こそあど言葉(※)」も使えません。レッスン後には材料や工程を改めて録音し、CDで渡しています。多くのことが通常のレッスンとは異なりますが、それでも積極的に参加される姿勢にいつも嬉しくなるのだとか。「コロナの影響でオンラインが普及しましたが、視覚障害者の方はこれまで以上に取り残されています。目が見えなくてもパン作りを楽しめることをもっと伝えていきたいです」。自分で作る麹の教室も好評で、看護師経験を活かしアレルギーの方向けの米粉パンも勉強中。いずれは工房も持ちたいと展望を語る大津さん。「あれもこれもやってみたい性格なんです」と微笑みます。
(※)「これ」「それ」「あれ」「どれ」などの指示語
バッグ(Hervé Chapelier)
家族旅行で訪れたパリで購入。パリ本店でこれを買おうと決めていたというお気に入りのトートは、底マチも広く収納力も抜群です。シンプルで上品なカラーも特徴で、着こなしのクラス感もアップします。
化粧水(VERIMA)
保水力抜群の濃密な化粧水。シリカなど厳選した4種類のミネラルとヒアルロン酸を配合し、美容液のようなリッチな質感でハリのある肌へ導いてくれます。大津さんはしっとり感が気に入り年中愛用中。
保湿クリーム
麹クリーム
メガネケース