私たちは日々多くの人とさまざまな会話を交わしています。
しかし、「もっと上手に話したい…」「言いたいコトが伝えきれない…」
といった悩みも多くの人が抱えています。
しかもコロナ禍による新しい生活様式は、マスク、アクリル板、オンラインなど、
会話のシチュエーションをも変化させました。
そんな今だからこそ、高めておきたいのが“会話力”です。
今回は、話し方の「プロ」に、会話力やコミュニケーションについて伺いました。
ビジネスの現場はもちろん、働く女性にとって初めて会う人と会話をする機会は多いもの。そんな時に、最も大切なことは、第一印象で親しみやすさを感じていただくこと。ポイントは、①笑顔の挨拶 ②相手に興味を持ち、共感する ③ゆるーい会話(スモールトーク)。
①挨拶は、自分と相手の間にある壁をやぶり、関係性を近づけます。そして笑顔は、その場の空気を和ませ、人の心を明るくし、笑顔にすることができます。まずは、初めての場、初めての人と会話をする時には、ナチュラルな笑顔で挨拶をしてください。すると、相手の心の扉が開きやすくなります。
②相手に興味を持ち、質問→聞く→共感を繰り返しながら相手との共通点を見つけることができると、距離がグッと近づき会話が弾みやすくなります。
③初対面の人との会話では、いきなり重たい話しをするよりは、浅い話題でゆるーい会話(スモールトーク)を。天気・季節・持ち物・仕事・マイブームなどの定番ネタでOK。
初対面の人との会話で重要なのは、話しの内容よりも、親しみやすさや、楽しい・心地いいなどのプラスの印象を持ってもらう事です。くれぐれもいきなり政治・宗教・健康等の個人的なことを話題にしないように。
①聞き手にベクトルを向ける ②エネルギーの高さを表現する ③ゴールを明確に簡潔に話す。
①まず重要なのは、相手が興味のある内容を、相手が受け取りやすいように伝えること!人は、聞きたい情報しか受け入れません。話しの内容が、相手にとって、関係・関心があり、価値があるかどうか。自慢話や、自分が話したいことだけを話して楽しいのは自分だけ。自分にベクトルを向けるのではなく、相手にベクトルを向けた内容・伝え方を意識しましょう。
②声・姿勢・表情で、高いエネルギー表現することも大切です。エネルギー不足では、相手に自分のメッセージは届かず、受け取ってもらえません。高いエネルギーを声・姿勢・表情で表現し、伝えることが大事です。声は熱量を届ける道具。豊かな声を意識しましょう。美しい姿勢は、あなた自身の価値を高めます。常に背筋を伸ばし、視線は高く、ボディランゲージは優雅にを心がけてください。表情で大切なのは、目。現在のマスクコミュニケーションでは、特に重要。まずは心を笑顔にし、目をしっかり開いて舞台女優になったつもりで、目をキラキラ活き活きさせましょう。目をキラキラにすれば、自然と頬の筋肉が上がり、口角も上がり、笑顔の優しい表情になります。
③プライベートでは良くても、ビジネスにおいては、話しの長さはマイナスになりかねません。ゴールを明確にして簡潔に話すことを心がけましょう。ポイントは、「結論→理由(なぜならば)→事例→結論」。まずは、何を伝えたいのかを明確にして、結論から話すことを意識することから始めてください。
聞き上手になるためには、引き出し上手になることが大事!そのためにも、まずは相手に気持ちよく話してもらえるように、以下の3つを心がけ、チャレンジしてみてください。
①あいづち ②相手の気持ちに寄り添う ③相手を包み込むような目線
①日本人は、人の話しを聴くとき無反応な人が多いと言われます。意識的に、相手の話しにあわせてあいづちをうつことで、話しを聴いているという反応を返すことが大事です。ただし、相手の話しのペースよりも速いあいづちや、はい、はい、などのワンパターンなあいづちでは、返って不信感を持たれます。相手に身体を向けて、相手の話すスピードに合わせ、バリエーションのあるあいづちを意識しましょう。
②相手の気持ちに寄り添いながら、話し手を承認・共感・賞賛する言葉でのあいづちをうつことも大切です。あいづち基本の「さしすせそ」。「さ」さすが・さすがです「し」知らなかった・信じられない「す」素晴らしい・ステキ・すごい「せ」センスがいい「そ」その通り・そうですか・そうなんですね・それ良いですね等。
③人の話しを聴く際には、相手を包み込むような優しい目線を意識して、安心して、気持ちよく、話しやすい雰囲気をつくることも大切です。
相手とうちとけ、信頼関係を築くために、日ごろの会話から、心がけておきたいのが、コミュニケーションの基本①ペーシング ②ミラーリング ③会話サイクルを回す。
①ペーシングとは、会話をしている相手と、呼吸やペース、声のトーンやボリューム、テンションを合わせることです。相手と自分のペースを合わせることで、相手に安心感を与えることができ、うちとけ、信頼関係を築きやすくなります。
②ミラーリングとは相手と動作を合わせることです。相手が笑えば笑い、身を乗り出してしゃべれば、同じように身を乗り出してみたり、ドリンクを飲めば、合わせてドリンクを飲んでみたり。あくまで、さりげなく、ワンテンポずらして行う事。やりすぎると、信頼関係を築くどころか、不信感を持たれ関係が壊れますので、ご注意ください。
③会話の流れを止めないために必要なのは、会話のサイクルを回す、です。「質問→聴く→質問→聴く→時々自分の話し」というサイクルをどんどん回していく。最初はスモールトークから始めて、聞き返し質問(相手の質問に対する答えに対して、○○ですかと、返す)や、しりとり質問(相手の話しのキーワードを拾って、○○といえば、○○ですか?で繋いでいく)で、さらに質問を続けたり、話題にそった自分の話しを入れたり。会話のサイクルを回していくと、会話が途切れることなく弾んでいきます。気を付けないといけないのは、ただ質問を繰り返すこと。相手の話を聴いてますよというリアクション(あいづち)をしながら、楽しく会話のサイクルを回してみてください。
仕事や所属するコミュニティにおいて、オンライン化が進んでいく中、便利になった反面、相手との距離感を感じたり、オンラインでの発表や会話に、ストレスや苦手意識を持っている方も多いのでは。そんなオンラインでの会話において、心がけたいことを3つお伝えします。
①画面に動きを見せる ②テンション3倍 ③一人でしゃべりすぎない。
①オンラインの際には、できるだけ、PCやスマホ等のカメラの位置を、自分のバストアップが画面に収まるように調整してください。そして、画面の中で、自分が話をする時には、手の動きを見せる(ボディランゲージ)。そうすることによって、画面の中に変化をつけることができ、退屈しがちな参加者や聞き手に刺激を与えることができます。また、聞き手に回った時には、対面の時以上に、うなづきや、拍手等のリアクションをとることも、心がけてください。
②画面をはさんでいるだけで、電話と一緒でいつもどおりのテンションでは、覇気がなく感じられます。発言・発表をする時には、テンションを3倍にする。視線を上げて、2メートル先の人に向かってしゃべるつもりで、声を出す。目を笑顔にして、活き活きとしゃべる。テンション3倍というと、恥ずかしいと思う方もいると思うのですが、少々、テンションを上げてしゃべっても、リモートだと普通です。ご安心ください。
③複数人でのオンライン会議等では、しゃべりすぎないことを心がけましょう。リアル以上に、まわりが割り込むことが難しいし、しゃべってる間、特にオンラインでは、自分以外の参加者がどんな空気になっているのか、わかりずらいので。