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巻頭特集>「子育て」も「キャリア」もどちらも大事!働くママの人生プラン
「子育て」も「キャリア」もどちらも大事!働くママの人生プラン
出産はキャリアを目指す女性にとって
大きな転機となる出来事。
また、子育てと仕事の両立ともなると
重大なテーマになります。子どもは欲しい、
でも仕事も辞めたくない。子育てしながら
仕事も頑張りたいプレママたちのために
今現在、渦中にあるママたちは
どのようにやりくりしているのか、
それぞれの意識や実態をご紹介します。
※はたじょとは、働く女性ならではのリアルで感度の高い声を活かして、アンケートや体験レポート、モニタリングなどに積極的に参加してくれる女性が集うトマトコーポレーション読者限定のメンバー組織です。
働く権利
妊娠中〜産後一年以内
事業主は妊娠中〜産後1年以内の女性労働者から申し出があった場合、妊婦健診等を受診する時間(医療機関等への移動時間を含む)を勤務時間の中で確保しなければなりません。
[男女雇用機会均等法第十二条]
また、妊娠中の労働者から請求があった場合、時間外労働や深夜労働(22時〜翌5時)、休日労働を行わせることもできません。変形労働時間制を採用していても、1日8時間・1週40時間の法定労働時間は適用となります。
[労働基準法第六十六条]
出産以降
事業主は、労働者から申し出があった場合、子どもが3歳になるまで勤務時間の短縮などの措置を講じなければなりません。
[育児・介護休業法第二十三条]
また、小学校就学前の子どもを育てている労働者から申し出があった場合、年休とは別に1年に5日間(時間単位も可能)の子の看護休暇を取得させなければなりません。
[育児・介護休業法第十六条]
お金のこと
① 妊婦健診
母子健康手帳の交付とともに、妊婦健診は14回まで無料で受けることができます。
② 出産手当金
被保険者が出産のために会社を休み賃金を受けられない場合、標準報酬日額の3分の2相当が支給されます。ただし、賃金が支給された場合は手当金は調整されます。
③ 出産育児一時金
妊娠4か月(85日)以上で出産した人には、赤ちゃん1人につき42万円が支給されます。
※産科医療補償制度対象出産では無い場合は40万8,000円。
④ 失業手当
出産・育児などのやむを得ない事由ですぐに働けない場合、延長の手続きをすることによって、本来の受給期間である1年に加え、最大3年間延長させることができます。
⑤ 育児休業給付金
育児休業を取得する被保険者が受給資格を満たすと支給を受けることができる給付金です。2022年10月から、分割取得ができるようになり、産後パパ育休に対応した育児休業給付が受けられるようになります。
⑥ 乳幼児医療費助成
子どもの医療費の自己負担金を一部助成する制度です。都道府県や各市区町村の基準により対象年齢や助成の範囲が異なります。
…など
自分にとって何が大事かによって働き方は自然と変わります。
子育ても仕事も自分なりに楽しみながら頑張っているママを紹介!
・Case 01・
少し遠くの未来を見据えると
仕事も家事も気持ちが楽に
私の仕事は昔から残業が当たり前。定時なんてあってないようなものです。だからキャリアアップに響くというより、出産をしてこれまでと同じように仕事ができるか不安でした。それでも働こうと思った大きな要因は、そうやって働いてきた先輩方がいること。「私たちもそうやってお世話になってきたの。今は甘えてね」と言われ、すごくホッとしたのを覚えています。融通が効かないかもしれない、迷惑をかけるかもしれない。それでも自分にできる仕事を精一杯全力でやろうと思いました。それもあり、復帰についてもあまり悩みませんでした。出産を経て、「仕事は時間をかけて無限にできる!」→「仕事は可能な時間内で最大限にやりきる!」と考え方も変わりました。変わったからといって仕事で手を抜くことは一切ありませんし、子どもがいることで理解できる仕事内容も随分増えました。どちらかだけをしていると、楽しいことが見えなくなったり忘れてしまいがちですが、今は子育てと仕事の両立だからこそ、どちらにも楽しさとやりがいを感じています。また育休中よりもはるかに多くの人と関わるので、多様な見方をすることができるようになりました。そんな私なりの両立の工夫は、子育ても仕事も先を見通して予定を立てること。仕事はチームで動くことが多いので、先々まで計画を立て、なるべく先取りで動きます。仕事自体は変わりませんが、追われている感覚がなく急なお迎えで迷惑をかけることもありません。家族の予定も先を見通して計画します。月に一度でも、行きたい場所へ行く計画を立てて実行できると、とても満足できます。
出張が多く繁忙期は月に数日しか家にいない夫ですが、だからこそ家にいる間はしっかり家事を分担してくれます。夫は料理上手だと、結婚してから知りました。
子どものご機嫌によって朝の準備にかかる時間が違ってきます。所要時間は最大で見積もらなければといつも思っています。
・Case 02・
仕事も家族もどちらも幸せな
ワーク・ライフ・ハピネスが大事
結婚を機に派遣社員で働いていたため、妊娠出産にあたり継続して働くことはできませんでした。今後を考えた時、継続的なキャリアを築くことができないため、再就職も難しいし働ける場所も限られるのでは?という不安が重くのしかかりました。友人たちが着実にキャリアを重ねていく中で、社会と断絶されたように思い、とても孤独を感じたように思います。それでも働こうと思ったのは、精神的にも経済的にも自立することは家族単位で考えた時にベストだと思ったため。また世帯収入をあげることは子どもの可能性を広げていく上でも大事なきっかけになる、という知人のアドバイスも大きな要因です。現在はフルリモートで働いているので、子育てしながらでも融通は効きやすいですが、その分仕事とプライベートの区切りがグラデーションのようになっているので、切り替えが大変ではあります。ただ出産前に感じていた、キャリアが断絶され自分が主体的に働くチャンスはもうないだろうという考えは、自分の中の決め付けだったと思いました。チャンスがあればセカンドキャリアを築くことができるし、その中で主体的に働くこともできる。どれだけ自分が社会に目を向けていけるかで自分が断絶したと思っていたキャリアこそ、自分の唯一無二の武器であり、アップグレードし続けることができるのだなと考え方が変わりました。今は仕事と子育てのどちらもあるからこそ、私自身バランスが取れると思っています。思いっきり頑張れる場所があること、思いっきり安心できる場所があること、どちらもあるので毎日が本当に充実しています。
夫や両家の親に支えられ、月に数回の出張にも行くことができています。その間、家のことを頑張ってくれる娘にもお土産話をたくさん持って帰ります。
雑誌やSNSには憧れのライフスタイルが溢れているけど、大事なのは自分と家族の幸せ。完璧を目指さずその時々の“ちょうどいい”を見つけています。
TOPの考えで、職場は変わります。
子育てしながら働くこと、働きやすい環境について聞きました。
“お互いさま”が根付く「ひまわり村」で、多様なロールモデルが活躍中
子どもへの感染予防のためまず保護者の口腔状態が良好でなければとの思いから、2005年より保育士を雇用し患者様用の無料託児を実施してきた当院ですが、産休育休から早く職場復帰できるよう2010年にはスタッフ用の院内保育をスタートさせました。ただ、制度が整っても仕事とプライベートを完全には分けにくいのが子育て中のスタッフです。そこは同じ悩みを抱えるスタッフ同士の助け合い、“お互いさま”の職場の風土づくりが何より大切だと考えています。この風土醸成のため、メンタルコンサルタントによるカウンセリングやコミュニケーションの促進を図る院内行事などを実施しています。また、制度を利用して働き続けるロールモデルやキャリアアップ支援を活用して活躍するロールモデルが多いのも当院の特徴で、新人スタッフにとって良き指針となっているようです。こうした取り組みや風土づくりを行う院全体を、当院では“ひまわり村”と形容しています。ミニマムなコミュニティーである村の中には、その人にしかできない仕事が必ずあります。私たちはひとつの目標に向かって活動するチームですから、そのために何ができるかを常に意識し、足りない部分をお互いが補っているのです。1999年の開院当時から社会背景も変わり、それに合わせて働きやすさを追求してきたことが、結果、現在のプロフェッショナル集団になったと実感しています。今後も明確な目標のもと、そこに向かう多様な働き方を応援していきたいですね。
企業文化によって培われた周りの理解と手助けが何より大きい
当社の特徴として、完全週休二日制で休日が多く残業が少ないことが挙げられます。短時間勤務の延長についても、会社が認めれば小学校就学前まで可能です。この他、管理者へのハラスメント研修も実施しています。一方、こうしたハード面以外にも子育てと仕事を両立しやすい雰囲気づくりが大切だと考えています。人事窓口では働き方の悩みを気軽に相談していただけるよう心がけていますし、社内には育児を経験され、子育ての大変さを理解されている方も多いので、学校行事や子どもの病気などの急な休みも取りやすいといった、子育て中のスタッフの負担を軽減するようフォローできる優しい人が多いのも特徴です。これは、以前より受け継がれた企業文化だと感じています。そしてその結果、ワーク・エンゲージメントも高まり、働く意欲のある社員の離職防止につながっています。子育てを経験したスタッフからも「制服で妊婦とわかるので周りの皆さんが体に負担がかかりそうなときにはフォローしてくれた」「子育て経験者の先輩が子育ての大変さを理解しているので、保育園や学校行事、病気をしたときの急な休みも取りやすかった」「家族が参加できる社内行事で子どもをかわいがってもらった。小さな子ども連れで行事に参加できるのは珍しいと思う」との言葉をもらっています。実際に自分が助けてもらったので、後に続く方を助け恩返ししたい。育休を取得された方のこうした考えが、これからも社内の優しさをつないでくれるのでしょう。
子育てしながらの就活は難しさが伴う場面も。
そこで、再就職を希望する子育て世代の女性の
相談や就活サポートを行う
「わーくわくママサポートコーナー」の担当者にお話を伺いました。
まずはあなたの悩みを整理し、働くための環境を整えましょう
子育てしながらいざ再就職しようとした時、「保育所と仕事のどちらを先に決めればいいのかわからない」「ブランクがあるので社会復帰するのがなんとなく不安」「コロナ離職したけど職を変えた方がいいのかな」と、多くの方が悩みを抱えていらっしゃいます。そうした方にはまず、病児保育のこと、ファミリーサポートセンターのことなど働く環境づくりからアドバイスしています。これは、再就職してから長く働くためにもまず大切なことです。また、来所される方の中には「役に立てないのでは…」「通用しないのでは…」と自己肯定感が低くなっている方も少なくありません。そうした方にも、当コーナーでは職場体験プログラムを実施し、再就職を応援する県内企業でのお仕事体験を通じて自信をつけていただいています。プログラムでは事前事後研修も取り入れているので、自己分析はもちろん働き方の選択肢の参考にもなっています。また、昨今増えてきたオンライン面接のトレーニングも行います。悩みや不安の多いママの再就職ですが、前職の経験やこれまでの子育て経験を含め、無駄なものは何ひとつありません。それをこれからのキャリアにつなげてほしいと思いますし、そのためにぜひ気軽に相談に来ていただければと思います。何を相談していいかわからなくても、お話をするうちに具体的な悩みに気づくケースもありますよ。
- わーくわくママ
サポートコーナー
ひろしま - 広島市中区立町1-20-3F
tel.082-542-0222
平日 8:30~17:15
※土日祝日、お盆・年末年始休み
- わーくわくママ
サポートコーナー
ふくやま - 福山市東桜町1-21-1F
tel.084-931-3225
平日 8:30~17:00
※土日祝日、お盆・年末年始休み
- ※相談は来所(上記)と
WEB相談(Zoom)があります。 - 両所とも子連れでの来所OK
託児料支援あり
編集部より
制度の活用はもちろん大事ですが、子育てとキャリアのどちらも頑張るママにとって、周りのサポートや本人の考え方もとても大切なようです。まずは現状や悩みを客観的に整理することから始めてみましょう。