本市では、「ひろしま都心活性化プラン」において、広島駅周辺地区と紙屋町・八丁堀地区を都心の東西の核と位置づけ、都市機能の集積・強化を図ることにより、相互に刺激し高め合う「楕円形の都市づくり」を進めています。
東の核であり、陸の玄関口である広島駅周辺地区では、再開発ビルが完成するとともに、広島高速5号線の整備(令和6年度全線完成予定)が進んでいます。その中心となる広島駅については、今後とも、広域的な交通結節点としての機能を強化していく必要があります。このため、現在、広島駅南口広場の再整備を進めており、令和7年春には新駅ビルの開業にあわせ、広島駅からの路面電車のルートを新設し、令和8年度末には、ペディストリアンデッキ、バス・タクシー・マイカーエリアが完成する予定です。
また、これまで民間事業者による開発に力点をおいてきましたが、西の核である紙屋町・八丁堀地区とは異なる特色を有するまちづくりを進めることにより、バランスのとれた都心づくりを進めたいと考えています。このような観点から、中央公園内の公共施設の集約化等の検討をする中で、文化交流施設である広島市中央図書館、こども図書館、映像文化ライブラリーをエールエールA館に移転・集約することにしました。
次に、西の核である紙屋町・八丁堀地区では、令和4年度末に民間活力を活用した旧広島市民球場跡地イベント広場、令和6年にサッカースタジアムの供用開始を予定しています。また、都心活性化のリーディングプロジェクトとして、本市も地権者の一員である、基町相生通地区第一種市街地再開発事業を推進しており、令和9年度には地上31階建て、高さ約160mの高層棟が竣工する予定です。これらの公的・官民連携のプロジェクトを着実に進め、民間投資も呼び込みながら、中四国最大の業務・商業の集積地にふさわしい街並みを実現したいと考えています。
また、都市機能の充実強化を図るためには、こうしたハード面だけではなく、ソフト面の取組を併せて進めることが重要です。令和3年4月には、「ひろしま都心活性化プラン」の実現に向け、都心のエリアマネジメント団体を支援する新たな組織として、経済界が中心となって「広島都心会議」が設立されました。現在、都心では、様々なエリアマネジメント団体が特色のあるまちづくり活動を展開しています。本市も「広島都心会議」と連携し、「自分たちのまちは自分たちで創る」という考えの下で行われるこうしたエリアマネジメント活動を、積極的に後押ししていきたいと考えています。
こうしたハード面、ソフト面の取組を着実に推進し、都心の回遊性を強化することにより、広島ならではの「平和文化」を感じながら気軽に散策できる空間づくりを進め、本市が目指す都市像である「国際平和文化都市」にふさわしいまちにしていきたいと考えています。