【新春スペシャル企画】松井広島市長に聞く、2024年の広島。

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これから私たちの街は、
そして生活はどのように変わるのか。
今年も、昨年に続き松井一實広島市長に
2023年の振り返りと2024年を
いきいきと過ごしていくための
力強いメッセージをいただきました。



広島が変わる!



Q1:2023年の広島市を総括すると?

▶︎ 街と市民生活に活気が戻り、広島の魅力やメッセージが世界に発信された一年

昨年は、5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行するなど、市民生活や経済活動が平常を取り戻したことを実感する、まさにコロナ禍を乗り越えたと言える一年でした。本市においては、東広島・安芸バイパスの全線開通や旧市民球場跡地の「ひろしまゲートパーク」のオープン、新サッカースタジアムの竣工など、人の移動や交流を促進するインフラや賑わい拠点の整備が進みました。また、ソフト面では、地域コミュニティの活性化として、地域の多様な主体が連携して地域課題の解決に取り組む広島型地域運営組織「ひろしまLMO(エルモ)」が発足し、「自分たちのまちは自分たちで創り、守る」という市民主体のまちづくりが各地で展開されるようになるなど、いよいよ広島の街と市民生活に活気が戻ってきたと感じたところです。加えて、やはり昨年の一番大きな出来事といえば、5月に開催されたG7広島サミットです。本市では、これまで多くの人々に広島を訪れてもらい、「ヒロシマの心」を共有してもらうために、「迎える平和」を推進してきましたが、世界の主要な国々の首脳が、ここ広島に集結し、核兵器のない世界の実現を目指すというメッセージが世界に発信されたことで、こうした取組の一里塚となりました。また、広島の豊かな自然や街並み、食文化等の様々な魅力が世界に発信され、その後のインバウンドの大幅な増加につながっています。こうしたことから、2023年は、世界のヒロシマへと飛躍を遂げた年であったと考えています。


Q2:G7広島サミットを終え、今後の観光への取り組みは?

▶︎ 広島広域都市圏内の市町と連携し、より周遊しやすい取組を推進

G7広島サミットでは、各国の首脳や政府関係者、多くのメディア関係者等が来広され、また、会議の映像等を通じて、国内外に広く「広島」が報道され、広島の多様な観光資源等の認知が広がったものと受け止めており、広島駅や平和記念公園などでは外国人を含めた多くの観光客が見受けられます。今後も広島を訪れる観光客の増加が見込まれることから、更なる満足度の向上を図るため、広島広域都市圏内の各市町と連携して、サミットで首脳等が触れた核兵器のない平和な世界を希求する「ヒロシマの心」や、体験した食、伝統文化、美しい景観などの魅力を追体験できるモデルコースの設定のほか、神楽等の伝統芸能やサミットのレガシーを活用した観光プログラムの開発に取り組みます。また、サミットにあわせて本市所管の全ての観光案内所に導入した多言語通訳サービスの継続による受入環境の向上、MICEの開催地選定において重要な要素のーつとなるユニークベニューの充実などに取り組みます。このように、本市を始めとする広島広域都市圏内において、より多くの観光客がゆったりと周遊することが可能になるよう総合的な取組を進め、圏域全体での観光消費額が増大するようにしていきたいと考えています。


Q3:子育てのしやすさへの取り組みは?

▶︎ 子どもと子育てに優しいまち〝ひろしま〟の実現へ

本市は、「第2期広島市子ども・子育て支援事業計画」に基づき、幅広い視点から子育て支援の充実に取り組んでいます。具体的には、地域で気軽に子育て中の親子の交流、子育てについての相談ができるオープンスペースについて、設置個所の拡大を図るとともに、妊娠中や出産後のお母さん方が安心して出産や子育てができるように、こんにちは赤ちゃん事業や家庭訪問指導事業のほか、助産師などの専門家が心と身体のケアや家事・育児などのサポートを行う広島市妊娠・出産包括支援事業などを行っています。こうした行政主体の取組とともに、「共助」である地域社会における取組、特に子育て世帯が暮らす地域コミュニティにおける取組が重要であり、そのために必要となる行政の支援を行っていきたいと考えています。子育て世代の皆さんが、安心して暮らせるように、「広島市子ども・子育て支援事業計画」に掲げる「子どもと子育てに優しいまち“ひろしま”の実現」に向けて、社会全体で支えあう、まちづくりを着実に進めてまいります。


Q4:盛り上がる広島のスポーツ界についてのメッセージとスポーツ振興への取り組みを教えてください

▶︎ 多くのトップスポーツチームのある広島から、新しい「スポーツ王国広島」を目指す

本市には、全国の自治体に比べて数多くのトップスポーツチームがあります。昨年は、カープのクライマックスシリーズ進出や広島ドラゴンフライズのチャンピオンシップ進出のほか、アジア大会や国体でも様々な種目の選手が好成績を残し、広島を活気づけてくださったことを嬉しく思っています。2月には、皆さんが楽しみにしているエディオンピースウィング広島が開業します。全国でも稀な「街なかスタジアム」として、本市に新たなまちの賑わいが創出されることを期待しています。今年も本市のスポーツ振興に関わる全てのチーム・選手の皆さんの活躍により、「国際平和文化都市」広島をスポーツの力でより一層熱く盛り上げていただけることを楽しみにしています。スポーツは、健康の増進や地域コミュニティの活性化、まちづくりにも寄与するものです。本市は、子どもから高齢者、障害者や健常者、初心者からトップアスリートまで全ての市民が日常生活の中でその思いに沿って様々なスポーツに接し、あるいは参加することができる環境づくりを進め、誰もが居心地のよい、笑顔であふれる「平和」なまちを体感できるような新しい「スポーツ王国広島」を目指します。


Q5:女性の働きやすさへの取り組みは?

▶︎ 職場、家庭、地域のバランスを図り、持続可能な社会環境の形成に向けて

本市では、理想の都市像である「国際平和文化都市」を目指す中で、「性差による差別がなく、対等のパートナーとして責任を分かち合い、個性や能力を十分に発揮できる社会」の実現が欠かせないことから、「第3次広島市男女共同参画基本計画」に基づき、様々な施策を進めています。その施策の中でも、女性に家事・育児等の負担が偏る構造的な問題が存在する中、女性が働きやすい職場環境を整え、職業生活と家庭生活を両立できるようにすることは、働きたい人が性別に関わりなくその能力を発揮し、安心して子どもを産み育て、家族としての責任を男女が分かち合える社会を形成する上で、不可欠な取組です。また、企業活動の面でも、従業員の定着率やモチベーションの向上、多様な視点での業務改善、優秀な人材の確保などのメリットがあり、企業の持続可能性を高めるとともに、少子・高齢化による労働力不足という社会的課題の解消にもつながる重要な取組です。しかし、中小企業においては、日々の業務に追われ、職場環境の整備に向けた取組を研究する余裕がなく、どのように取り組めばよいか分からないなどの理由から、具体的な取組が進まない状況があるのではないかと考えています。このため、本市では、女性の活躍推進や働き方改革に積極的に取り組んでいる企業を「広島市男女共同参画推進事業者」として表彰し、受賞企業の先進的取組を好事例として広く紹介することにより、他の企業への取組の波及を図っています。さらに、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定セミナーや相談会の開催、講師の派遣などを行い、個々の企業の課題解決や、女性活躍を推進する行動計画の策定を支援することにより、女性が働きやすい、多様で柔軟な働き方ができる職場環境の整備に向けた企業の取組を促しています。こうした取組を継続した結果、昨年度末時点で一般事業主行動計画を策定した従業員数が300人以下の企業数は444社と、令和6年度末までの達成を目標としている500社に近づいている状況であり、今年度は策定が努力義務である従業員数100人以下の小規模な企業に対する取組を強化しているところです。今後もこうした取組を、国、県、経済団体等と連携しながら着実に行い、男女共に職場、家庭、地域それぞれのバランスを図れるようにすることにより、将来にわたり活力ある経済・社会を維持できる持続可能な社会環境の形成につなげていきたいと考えています。


Q6:2024年をこの街で明るく過ごすためのメッセージを

▶︎ 加速していく広島のまちづくりを実感してください

3年に及ぶコロナ禍を乗り越え、2024年は、本市のより一層の飛躍を確実なものとするため、広島広域都市圏内の市町と一緒になって、魅力あるまちづくりを加速していきたいと考えています。まず、2月には、広島の新たなシンボルとなるサッカースタジアムの供用を開始します。また、広島駅周辺においては、南口広場の再整備や路面電車の駅前大橋ルートの新設工事等を着実に進め、被爆80周年となる令和7年に向けて、大阪・関西万博への来客も含め、多くの来訪者を新しく生まれ変わった玄関口で迎えることができるようにします。さらに、昨年のG7広島サミットにより、平和を希求する心が世界に広がったこの機を捉え、8月に開催する第2回ひろしま国際平和文化祭(ひろフェス)を始めとして、音楽・アート・スポーツなど平和を実感できる様々な機会を提供することにより、市民一人一人が日常生活の中で平和について考え行動する「平和文化」をより一層振興していきます。加えて、地域課題の解決に向けた市民の皆さんの自発的な取組を支援するなど、地域コミュニティの活性化に力を入れていきます。市民の皆さんには、サッカースタジアムを始めとした新しい施設を利用したり、各種イベントや地域活動に参加したりする中で、こうした広島の魅力あるまちづくりが着実に進んでいることを実感していただきたいと思います。


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