【広島市】朗読を学ぼう。藤野能子先生「童話で学ぼう 朗読の時間」

この記事は2021年4月20日に作成および更新したものです。
おでかけやご利用の際は公式サイト等で最新の情報を確認してください。
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朗読教室とはどのようなところ?

「童話で学ぼう朗読の時間」教室風景

そごう広島店の北隣、基町クレド(パセーラ)10階に、中国新聞文化センター「クレドビル教室」があります。
中国新聞文化センターは、昭和55年(1980)5月に、中国新聞社の文化事業の一環として胡町に
オープンした後、平成25年(2013)4月、教室部を、現在の基町クレド10階に移し、広島・山口県内で
11会場 約1,800講座を運営するカルチャー教室です。
今回は、「童話で学ぼう 朗読の時間」をご紹介しましょう。

朗読は「愛と癒しの時間」

童話で学ぼう 朗読の時間 講師

皆さんは「朗読」に、どのようなイメージを持たれていますか?
「声をあげて、文章をよむこと。」「学校の国語で音読をしたイメージ。」
のような感じでしょうか。

講師の藤野能子先生は、まず
「朗読の技術を学ぶだけでなく、子どもの頃読んだ童話を声に出して読むことで、
『愛と癒しの時間』を過ごしていただけたらと思います。」
と話されました。そして、

「思想家で教育者のシュタイナーは、『童話に触れることは、魂の飢えに栄養を与えることだ』
と言っています。古くから語り継がれてきた童話には、時代に左右されない人間の本質とも言える
『真善美愛』を探求する普遍的なメッセージが込められています。子どもの頃に味わったそうした物語に、
大人になってもう一度触れることで、忘れかけていた大切なことを思い出したり、
癒されたりすることもあります。声を出して読むことで、より深く物語と出会えるのも、
朗読の魅力でしょう。

講座では『リアリティのある表現』を目指しています。お一人お一人が内容を落とし込めるように、
物語の底に流れる解釈も丁寧にお伝えしながら、朗読指導させていただいています。」
とも話されました。

講座では、「講座に出ると、心がポカポカする、幸せな気持ちになれる。」
という生徒さんのお声が多いのだそうです。素晴らしいことですね。
こちらの講座では、幅広い年代の方が朗読を楽しまれており、私もそのひとりです。

レッスン時間は90分。この日は、「マッチ売りの少女」が題材でした。

レッスンの流れ

童話で学ぼう 朗読の時間 レッスン風景

・講師の藤野先生が、ホワイトボードに愛らしいイラストを描かれ、まずは、イメージを膨らませてから、
レッスンのスタートです。

・前回の学びをおさらいし、先生が、朗読をする上で、大切なポイントを説明されます。
それらを心得ながら、テキストの文章に目を通していきます。

・実際に、ひとりずつ順番に、文章を声に出して読んでいきます。
藤野先生が、あらかじめ指定された「ひと区切り」を、丁寧に朗読していきます。


朗読教室でマンドリン演奏をBGMに取り入れる

・朗読の途中に、「気をつける点」「発声や発音のポイント」などを、先生が解説されます。
生徒の皆さんは、熱心にメモをとり、テキストに加えていきます。

・「朗読の技術」だけではなく、この童話に書かれている背景、登場人物や、作者の心情なども、
先生の丁寧な解説とともに考えていきます。

・数回のレッスンで1作品を読み込むと、仕上げとして、発表会のように前に出て「通読」をします。
この日は、1作品を2人で、前半と後半に分けて朗読しました。そしてこの日は新しい試みとして、
合間に、マンドリン演奏BGMを入れて朗読をされていました。

教室の雰囲気

童話で学ぼう 朗読の時間で使用するテキスト
生徒の皆さんが熱心です。
朗読を愛していらっしゃるのが伝わります。
そして、童話を朗読することによって、
「童話の純真さ」を自然に表現されています。

声を出して会話をする機会も減ってしまった
昨今ですが、 普段の会話の発声とは違った雰囲気です。

朗読の「発声」によって「読み聞かせている」
というだけではなく、
「自分自身と向き合っている」という感じでしょうか。
とても素敵な空間なのです。

テキストには、これまで「幸福の王子」「グリム童話」
「白雪姫」「銀河鉄道の夜」「クリスマスの鐘」
「一房の葡萄」「木を植えた男」「おおきな木」
などが取り上げられました。
童話で学ぼう 朗読の時間にて講義中の藤野先生

「今、新たな時代に突入しています。全世界的にパンデミックを見せるコロナ。自然災害や、暴動など
様々な困難が国内外で次々と起きています。情報過多の時代、SNSでの誹謗中傷で命を落とす人までいます。
こうした中、私たちは何をどう求めて行ったら良いか混乱することもあるでしょう。
そういう時にこそ、原点回帰。人間の長い歴史の中で生まれ語り継がれてきた童話が、
現代の私たちに生きるヒントや希望といった豊かなギフトを運んでくれるのではないかと思います。」
と藤野先生は語られました。最後に、

「講座に参加される皆さんは、どなたも心が優しい素敵な方ばかりです。童話と向き合い、とても熱心に
楽しく朗読を学んでいらっしゃいます。教室全体が明るいハーモニーに包まれ、それが
朗読にも表れています。素晴らしい言霊で綴られた童話の世界に守られた、平和な朗読の時間です。
私も幸せな気持ちになるのですよ。」
と、お話くださいました。愛と平和を大切にされている藤野先生のポリシーが伝わってきますね。

朗読の世界に、皆さんも誘われてみませんか?きっと新しい世界が開かれることでしょう。


藤野能子先生 プロフィール用写真

  藤野 能 朗読家 画家 書家 日本ペンクラブ会員

NHK 広島放送局報道を経て、NHK 放送センター衛星放送局「BS ビジネスライン」初代キャスター。
NHKBS「WORLD REPORT」「おはよう世界のトップニュース」キャスターを歴任。
「BS 日曜スペシャル」ナレーションを担当。NHK 報道局長賞受賞、NHK 編成主幹賞受賞。
現在、中国新聞文化センター講師、NHK 文化センター講師。
2012年より童謡詩人 金子みすゞの詩の朗読活動を開始。
詩を発掘した矢崎節夫氏(金子みすゞ記念館館長)や宇宙物理学者 佐治晴夫氏らと共演。
2019年6月、初個展「藤野能子作品展 祈りと旅と喜びと ~あの日のイタリア・フランス~」
≪併催≫「金子みすゞの詩によせて」を福屋八丁堀本店(広島)にて開催。
WEBマガジン THE MAN にて「青の奇跡」文と挿絵を連載。


中国新聞文化センター クレドビル教室のある、基町クレドパセーラ


中国新聞文化センター クレドビル教室

講座名:童話で学ぼう 朗読の時間

日  時:第4週  木曜日 13201450

受講料:3ヵ月 3回 8,910

定  員: 20名 

備  考:資料代 1 20円、筆記用具

※入会金 2,200円が別途必要です。

 

 

住所
広島市中区基町6-78 基町クレド(パセーラ)10階
電話
082-962-4111
営業時間
月曜~土曜╱9:30~18:30
日曜╱9:30~15:00(祝日休み)
ホームページはこちら


(担当ライター:山田典子