【広島の郷土料理】母から子へ伝えたい料理レシピ3選

この記事は2021年7月29日に作成および更新したものです。
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郷土料理-レシピ3選

広島で働く女性の皆さんは、広島の「郷土料理」を味わったことがありますか?

「郷土料理」は、その地域の産物を使ったものや、地域の風習から伝わってきたものです。

おいしいだけでなく、健康に良いものが沢山あります。

母から子へ、子から孫へと伝えていきたい「広島の郷土料理」。そのレシピをご紹介しましょう。

▼この記事を読んで分かること
◎郷土料理とは?
◎広島の郷土料理「角寿司」・「煮ごめ」・「鯛そうめん」のレシピ。
◎広島の郷土料理のおいしさ。

この記事を読めば、おいしい「広島の郷土料理レシピ」についてわかるので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 郷土料理とは?

『各地域の産物を上手に活用して、風土にあった食べ物として作られ、食べられてきました。
そして、歴史や文化、あるいは食生活とともに受けつがれています。』

(出典: 見てみよう!日本各地の郷土料理 農林水産省 )

農林水産省 見てみよう!日本各地の郷土料理 より引用画像


このように郷土料理は、今日まで伝承されてきた日本文化といえますね。

私は、広島市安佐北区の自然豊かな場所で育ちました。実家は6人家族でした。
私の育った時代は、行事や冠婚葬祭などで、ご近所との繋がりが濃密。
何かイベントがあるたびに人が集まります。その時に、母や祖母と作っていたのが「郷土料理」。
それがとても嬉しく楽しみだったのです。

 

今回は、料理上手な私の母親から、私が学んできた「郷土料理」レシピを、実際に私が作ったものでご紹介します。

 

2. レシピ

角寿司(かくずし)

広島県広島市周辺や、広島市を越えた芸北(山県郡や、安芸高田市の一部)、そして、島根県南西部あたりの地域で作られる郷土料理の「押し寿司」です。

私の場合、秋祭りや、おもてなし料理、お祝い時に、母や祖母が作ってくれた思い出があります。
法事で作られる地域もあります。

 

広島 郷土料理 角寿しの材料イメージ
【材料(4人分)】
●米/3合

【A】
●すし酢/酢 大さじ5(穀物酢)
    さとう 大さじ2
    塩   小さじ1
(市販の「すし酢」でもOKです。)

【B】
干し椎茸のもどし汁/1カップ
酒/少々
みりん/小さじ2
さとう/小さじ1
しょうゆ/大さじ1
だし醤油/小さじ1

(寿司の上にのせる具)
かまぼこ/適宜
干し椎茸(椎茸でもよい。松茸でもおいしい)/5枚
薄焼き卵/卵2個
山椒の葉/少々

【作り方】

① のせる具材の干し椎茸を、水でもどす。

② 米は、少なめの水で、固めに炊く
理由は、すし酢が入るため。そして、やわらかいと押した時にごはんがつぶれてしまうため。

③ もどした椎茸は、上にのせる飾り用に1㎝以下と、中に入れる用の細切りにして、【B】で甘辛く煮る。

④ 炊いた米を、すし桶などに入れ、【A】のすし酢をまぜて、すし飯をつくる。

広島 郷土料理 角寿し調理中の画像
⑤ 薄焼き卵をつくり、1㎝以下の三角や菱形に切っておく。

⑥ かまぼこは、扇形に切るときれい。(でんぶをのせてもよい。)

⑦ 押し寿司型にすし飯を半量つめ、細切りの椎茸をのせて、残りのすし飯をのせる

⑧ 上にのせる薄焼き卵、椎茸、かまぼこ、山椒の葉を彩りよくのせる。

⑨ 上から型をのせて、押し出す。

広島 郷土料理 角寿しの型と調理中の画像

「木製の型」が理想的ですが、今回は、安価なプラスチック製を通販で買いました。

広島 郷土料理 角寿し 完成図

調理をしてみると簡単で、型を抜く時が楽しいですよ。まるでケーキのようにかわいいのも良いですね。
具材は自由に楽しんでみてください。

煮ごめ(にごめ)

安芸門徒の多い広島。
116日が、浄土真宗の開祖・親鸞聖人の命日にあたるため、前日を「おたんや・御逮夜」と呼び、親鸞聖人の好物だった「小豆」をいれる精進料理の「煮ごめ」を作るならわしがあります。
実家では、母がそれを守り、たくさん作っては、何度も煮て、家族で毎日食べていました。

広島の郷土料理 煮ごめで使う小豆の調理中画像
※ポイントは、「小豆」を入れること。
【材料(4~6人分)】
小豆/1/2カップ(水煮缶を使ってもOK)
干し椎茸/5枚(水2カップでもどす)
大根/1/2本
にんじん/2本
ごぼう/1本
さといも/水煮タイプを2袋(水煮でなくてもOK)
コンニャク/1枚
油揚げ/1枚
だし昆布/結び昆布で6個(普通の昆布でOK)

(調味料)
酒/大さじ2
みりん/大さじ2
さとう/大さじ1
しょうゆ/大さじ2
だし醤油/小さじ2
塩/小さじ1

広島の郷土料理 煮ごめの材料画像
【作り方】

① 小豆はさっと洗い、たっぷりの水を加えて煮る。沸騰したら、湯を捨ててザルにあげる

② 小豆を再び鍋にもどし、中火で煮る。沸騰したら、弱火にして40分くらい煮る。
(落とし蓋をし、アクをとりながら柔らかくなるまで。)

③ 干し椎茸はもどしておく。(もどし汁は、煮汁にする。)

④ 野菜やこんにゃく、油揚げは、1㎝角に切る。

⑤ だし昆布もキッチンばさみでカットするか、細かいものを使う。

⑥ 鍋に、切った具材をすべていれ、「小豆の煮汁」と、「干し椎茸のもどし汁」を加える。

⑦ 具材を煮る。途中、アクがでるので、こまめにとる

⑧ (調味料)を加えて煮込む。

⑨ 具材がやわらかくなってきたら、「小豆」を加えて10分ほど煮る。

※なるべく薄味に仕上げるのがポイント!

広島の郷土料理 煮ごめ 完成写真


野菜の旨味にほっこり。食物繊維がたっぷりで、カラダも喜びます。腸の調子まで良くなりヘルシー!

 

鯛そうめん

広島県、岡山県、愛媛県などの瀬戸内海や、大分県などの地域に伝わる郷土料理。

まるごと一匹の鯛を使うのが「お祝いごと」でのならわしですが、私はこのように鯛のあらでも気軽に作ります。

【材料(4人分)】
鯛(あらでもよい)/1匹分
そうめん/8束
青柚子やすだちの皮/少々

(調味料)
酒/1カップ
みりん/1/2カップ
さとう/大さじ1
しょうゆ/1/2カップ
だし醤油/大さじ1
塩/小さじ2(鯛の下処理で使う塩は適宜)
水/1カップ

広島の郷土料理 鯛そうめんの材料の鯛のあら

【作り方】

① 鯛に塩をふって、5分ほどおく。その後、キッチンペーパーで水分をふきとる。

② 鯛を鍋にいれ、沸騰したお湯をかけて、しばらく煮る。煮汁は捨てて、さっと鯛を洗う。
(①と②は、鯛の臭みをとる下処理)

③ 鍋で(調味料)を煮立てて、鯛を加える。

④ 落とし蓋をして、30分ほど煮込む。途中、おたまで煮汁をかけながら煮ると良い。
(煮込み時間が短いと、生臭さが残ります。)

広島の郷土料理 鯛そうめんの鯛を煮ている調理中の写真
⑤ そうめんを茹でて、皿に盛る。

⑥ 鯛の身を好みでのせ、煮汁をかける。

⑦ 柚子やすだちの皮を千切りにしてのせる。(皮をおろしてかけてもよい。)

煮汁の濃さは、好みで調整してください。

広島の郷土料理 鯛そうめん 盛りつけ完成写真

3. まとめ

郷土料理を作っていると、昔の人の気持ちになれます。
少し手間はかかりますが、慣れると簡単に調理できますよ。
なにより、完成した時の喜びが大きく、素材の味を存分に感じられてハッピーになれます。
ぜひ、トライしてみてくださいね。

 

料理・レシピ監修

竹本香代子(ライターの母)/プロフィール

専業主婦。1944年 広島生まれ。長らく両親と夫、一男一女の母親として専業主婦生活をした。
料理歴は、60年余り。孫育てにも貢献し、現在は、夫とふたりで悠々自適な日々を送る。
趣味は音楽鑑賞と刺繍。
(担当ライター:山田典子