働く女性の本音_vol.101_星野 喜蝶さん

みんなの運気が上がる文字を書く
一筆一筆に書道家としての魂を込めて

３歳から始めた日本習字でめきめきと頭角を現し、若くして数々の賞を受賞。そんな星野さんが筆跡の面白さに目覚めたのは、大学時代。多くの人が中国の書家・王羲之の字を真似る中、そこに性格や環境による個性が発現することに気づき、論文にまとめました。卒業後、社会人となった彼女は役職の重圧という壁にぶつかります。そこで思い至ったのが、「個性が文字の特徴として出るのなら、文字の書き方を変えることで自分を変え、理想とする自分になれるのではないか」という考えでした。事実、筆跡を変えることで壁を乗り越えた星野さん。この成功体験を基に13年からは筆跡心理鑑定士としてこれまで６０００人以上を鑑定。さらにこれらの統計・研究から運気が上がる〝開運富士山文字〟を確立させました。「筆跡を変えようとすることで、目と指から〝こうありたい自分〟を脳に伝えることができます。以前の私のように自分を変えたいと悩んでいる多くの方のために、少しでもこのことを伝えたいと思っています」。

現在は、定期開催している作品展やオーダー作品の制作、飲食店等での季節の作品の定額レンタル、企業とのコラボイベントなど、とにかく自身の書と関わるすべての人の運気が上がるよう精力的に活動を続けています。一方で、コロナ禍で大筆パフォーマンスは激減。大筆パフォーマンスはパネルが倒れるアクシデントに見舞われた初回から、１０００名の外国人の中で行なった熱狂のステージまで、星野喜蝶の名を押し上げた大切な活動のひとつです。ただ、これにも「以前より家にいる時間が長くなったので作品づくりに没頭できる」と前向きな姿勢が印象的。

全作品に魂を込める星野さん。中でも大きなオーダー作品は失敗が許されないため、緊張感も達成感もひとしおです。だからこそ、納品はできれば直接。依頼主が喜ぶ瞬間が、彼女にとっても喜びの瞬間なのです。「作品づくりに没頭して気づけば夜明け前ということもざらです。でも、書道家としてオーダーのあった作品を仕上げるのはもちろん、それにより皆さんの運気を上げるのが私の使命。もっと多くの人を笑顔にして、いつか海外で個展を開き、開運文字＝星野喜蝶と広くイメージされることが目標です」と、終始笑顔の絶えない星野さん。話すだけで運気が上がりそうな人柄もまた、彼女の魅力です。