働く女性の本音_vol.104_西小野 涼香さん

選手の素の表情をファンに届ける
その反響の大きさが嬉しくて

祖父の影響でカメラを始め、高校で写真部に。広商野球部の部活写真を撮る中で、次第に野球にも惹かれていったと振り返る西小野さん。だからカメラマンとしてカープに入社したことを、鯉党の祖父は特に喜んでくれました。ペナント中の練習や試合をはじめ、キャンプ、ドラフト会議、新入団会見にファン感謝デーと選手のいるところで常にカメラを構える日々。新井新監督の挨拶回りの同行もこの時期ならではの仕事です。中でも大変と語るのが、やはり試合。先発投手のアップの様子や試合中のベンチ裏、地域イベントがあればそちらへ、さらにファンの記念撮影と、広いスタジアム内を常に動き回っています。「試合中は自由に行動しているんですが、試合は流動的なので、自分で考えながら動くのはいつも難しさを感じています。でも、ファンの方から声をかけてもらうこともあり、試合日の撮影はその嬉しさもありますね」。

昨シーズンからは球団公式サイトにあるフォトギャラリーページを１人で担当。「この選手、こんなに明るいの!?」「試合中の印象と全然違う！」と、選手たちの素の表情を掲載しているこのページは、予想以上の反響となりました。ファンからの「楽しみにしているよ」という声はもちろん、写真は選手の家族にも好評らしく、普段見せない選手の姿を届けられることは、西小野さんにとって大きなやりがいです。

そんな彼女には、撮影にも自分なりのルールが。「写真を撮られるのが苦手な選手もいますし、試合前のピリピリした雰囲気で写真を撮るのは気も遣います。撮るのが仕事なので撮らないといけないのですが、『いま撮られると嫌だろうな』と思う場面もあるので、撮ってすぐに視界から消えたり、ずっとカメラを構えておかないなど、選手との距離感はいつも考えています。そこは選手がいてこその仕事ですから。でも基本みなさん明るいので『何サボってるんだ』とイジられることもありますし、キャンプやファン感謝デーはお互い気持ちも軽く、良い写真もたくさん撮れたりするんです（笑）」。昨年は手探りで必死だったと振り返る西小野さん。今年はもっと選手の楽しそうな写真、選手の情熱が伝わるような写真を撮っていきたいと話します。「そのためには、もっと自分の存在感を消すことも大切ですね（笑）」。