働く女性の本音_vol.51_横田裕美さん

ポジティブピースの実現へ向けて
世界中の学校と広島をむすびたい

業界最大手の会社で、教育旅行事業を担当する横田裕美さん。主に学校が実施する修学旅行などを扱いますが、その実は単に旅行先へ行って帰る、というものではありません。現在、総合的な学習の時間を利用し多くの学校でグローバルかつ情報技術に優れた人材育成が進められる中、彼女が行うのは教育活動のトータルデザイン。修学旅行はその一部であり、事前・事後学習も含め、修学旅行後も続く生徒さんの成長を見据えた先までを、学校側との協議の上、考え提案しています。「より感度が上がり様々なものを吸収できるフィールドが旅であり、それが旅のチカラだと思います。たくさんの生徒さんが、そこで何かに気づいてもらえれば嬉しいですね」と話す横田さん。これまでの教育旅行の形を変えることが彼女の使命でもあります。
昨年は会社の海外派遣研修で、１年間インドネシアでの勤務を経験。言葉もままならず苦労も多かったそうですが、そんな中で実感したのが、ムスリム社会の寛容性と多様性でした。「この社会は日本の高校生たちにとって、きっと学びの場となる。グローバルな人材育成を目指す学校にこそ来てもらうべきだ」と確信し、こうしてプロジェクト化されたのが「２way交流」です。「その国の社会背景や歴史は、実際に訪れてみなければ本当の意味での理解につながりません。また、そこに友人がいることで、その国がこれまで以上に近い存在になります。だから一方的ではない学び合いの場として、行くだけでなくこちらにも来てもらうこの事業をスタートさせました」。〝なぜ広島に来てもらうのか、そこで何を学ぶのか〟といったコンセプトから現地の高校に提案。３月と４月には広島城北高とインドネシアの高校の２way交流が無事実現しました。この交流の重要なテーマが、〝Positive Peace〟。だれもが幸せと感じる社会の実現に向け、そうした社会をつくる根幹である教育に携われていることがまた、彼女が仕事に打ち込む理由のひとつなのです。
忙しい合間を縫い、自分自身もまたプライベートであちこちへ出かけ、旅のチカラをもらうという横田さん。蓄積されたパワーは、さらなる仕事への糧。今後の目標は２way交流を世界中の学校と成功させ、世界と広島をむすぶことです。