働く女性の本音_vol.52_伊藤オリエさん

空間が整うと、気持ちが整う。
その幸せをもっと多くの人へ。

整理収納アドバイザーとして、一般家庭から企業まで様々なニーズの整理収納を行う一方、テーマに合わせた片づけ理論を伝授するセミナー講師としても活躍中の伊藤オリエさん。広島では第1期となる２００７年に資格を取得するも、実はアドバイザーとして活動を始めたのは２０１５年になってから。「当時はまだ家庭を持っていなかったので、そんな自分がはたして主婦の先輩方に片づけを説けるのだろうかと自信がなかったんです」と語る伊藤さん。今では育ち盛りの２児のママとして、主婦業と仕事を両立しています。
片づけの依頼は、「何からしたらいいのかわからない」という漠然としたものから、「育休後に仕事復帰した時のために使いやすい収納にしてほしい」という具体的なものまで様々。しかし、どんなケースでもまず欠かせないのが丁寧なヒアリングです。「キレイにする＝片づけではないんです。その方が何に困っていて、どういう暮らし、あるいは働き方をされたいか、その理想に向けて片づけやアドバイスをしていくのが私の仕事です」。家庭にはその家庭なりのルールが存在するため、たとえ非効率な収納であってもそうなっている理由を尋ね、彼女の意見を押し付けることはしないのだとか。そうして整理収納を終えて依頼主の表情が変わるのが、彼女にとって何よりの喜び。「引き出しを開けるのがワクワクする」「友人を招いてみんなに見てもらった」そんな言葉が次の仕事への活力になります。
片づけの魅力は、物を探すロスを省ける時間的余裕と、無駄買いを省ける経済的余裕、そして整った空間で過ごす精神的余裕。取材で伺った伊藤さんの自宅も、なんとシンプル、なんと居心地の良いことか。彼女自身もまた仕事と主婦業がありながら、週３でダンスに通うゆとりを持っているのにも納得です。〝片づけとは選び取る作業〟経験を積むうち、何が本当に大事な物かが研ぎ澄まされてくるのだと彼女は語ります。そして、この幸せをより多くの人へ届けたいと。「髪の毛って自分でも切れますが、うまくいかないから美容師さんに頼みますよね。私たちの仕事も同じで、もっと気軽に利用してもらえれば」。共働き家庭などからの依頼も年々増加中。彼女の活躍の場はますます広がりそうです。