働く女性の本音_vol.68_中川新さん
中川 新さん
シェラトングランドホテル広島 料飲部ペストリー&ベーカリー ペストリースーシェフ
■プロフィール/広島市出身。大阪の製菓専門学校を卒業後、神戸のケーキ店に約4年勤め帰広。広島でも約4年ケーキ店に勤めた後、単身フランスへ修業に。その際道を尋ねたフランス人男性が現在のご主人となる。2014年シェラトングランドホテル広島に入社。産休・育休を経て職場復帰し、2017年スーシェフに。学生時代から東京や大阪でスイーツを食べ歩き、現在は里帰りも兼ねて年に1度はパリのスイーツを勉強するなど、味覚磨きは怠らない。コンビニのスイーツも全て食べてみないと気が済まないのは、本人曰く「もはや職業病」。
子育てしながらキャリアアップできる
そんな自分を周りにも見せていきたい
宴会場やレストランで提供されるデザート、ロビーラウンジで販売されるパンやケーキ、さらに披露宴でのウエディングケーキまで、ホテル全体を担うペストリー部門でスーシェフとして活躍する中川新さん。季節に合わせたものから食事内容に合わせたもの、新郎新婦の希望通りのもの…と作るスイーツの内容はまさに多種多様。それらの考案と、スタッフ全員が同じレベルのものを作れるように指導していくことも彼女の大事な仕事です。「新しいスイーツを考えるときは、街の中の建物やデザイン雑誌…そうしたものから受けたインスピレーションを反映することが多いですね。味や安全性は当然で、ホテルスイーツである以上食べていただく方の気分を高揚させる華やかな見た目を重視しています」と中川さん。ホテルの看板を背負って提供するため、常にプレッシャーもあります。また、スーシェフとしてコスト面やスタッフ教育などにも高い意識を向けなければなりません。それでも、半日がかりで作ったウエディングケーキがとても好評だったという新郎新婦の感想や、スイーツブッフェのイベントでゲストから直接おいしかったという言葉をもらえると、大変さを上回るやりがいや喜びになるそうです。
パティシエールを志したのは幼少期。焼きたてのマドレーヌなど、どんなに忙しい中でも中川さんのために手作りのおやつを用意していた母親。彼女自身、それがあるから帰宅するのが楽しみだったそう。そしていつしか、自分もこの幸せな気持ちを誰かに届けたいと思うようになりました。現在は4歳の男の子の子育て真っ最中。休日には一緒にクッキー生地を練ったりしながら、今は中川さんが母親の味を伝える側です。そんな彼女には目標もあります。「お客様の要望は、どんな難題でも対応させていただくのが私のスタイルです。それを実現できるチームを育て、これまで以上に良いものを提供していければと思います。そして、母親である私が働く姿、仕事と家庭を両立している姿を周りの女性スタッフにも見せていきたい、〝自分もキャリアを諦めることなく続けていけるんだ〟ということを後輩たちに感じてもらいたいです」。子供と一緒に過ごす休日も、スイーツのヒントが浮かべばすぐにメモ。研鑽を続けるそんなママパティシエールは、今日も誰かを幸せにするスイーツを作り続けています。
■ 働き女子のカバンと中身
バッグ(ADAM ET ROPÉ)
アクセサリー感覚で持てるミニサイズのバッグ。財布やスマホなど必要最低限のアイテムしか持ち歩かない中川さんにピッタリのサイズ感で、チェーンが付属しているので、ショルダーとしてもハンドルとしても使えます。
化粧水(pure)
「シェラトンシャインスパ」でも取り扱っている化粧水。スプレータイプなので時短にもなり、何よりリラックスできるハーブの香りがお気に入り。クレンジングミルクの拭き取りにも最適なアイテムです。
メモ帳
思いついたことを書き留めるために持ち歩いているメモ帳。デザインラフやアイディアを残しておき、自らのケーキづくりに反映させています。
小銭入れ(Francfranc)
とにかく物を持ち歩かない主義の中川さん。普段の仕事はこれをポケットに入れておけば十分なのだとか。
財布
亡き祖父が愛用していた年代物の財布。気持ちのいいお金の使い方をしていた祖父に憧れ、中川さんもずっとこの財布を愛用し続けているそう。