働く女性の本音_vol.72_山下艶子さん
山下 艶子さん
ソアバレエアート広島 代表
■プロフィール/東京都出身。93年東京小牧バレエ団(現・国際バレエアカデミアバレエ団)入団、99年スイスチューリッヒオペラハウスバレエ学校留学、02年スロバキアナショナルバレエ団入団、06年に帰国、東京小牧バレエ学園などで講師を務め、11年結婚を機に広島へ。広島でバレエ講師を務めたのち、20年ソアバレエアート広島を開設。毎朝5時前には起床し、身体を目覚めさせるためのストレッチやピラティスを欠かさないのが健康の秘訣だと語る1児のママ。
バレエはすぐには上達しないもの
だからこそ生徒の成長が何よりの喜び
バレエに出会ったのは幼稚園。その頃は自分の意志ではなかったけれど、高校卒業後、バレエ団に入団を決めた時には〝大好きなバレエをいつか職業にしたい〟という明確な思いがあったと振り返る山下艶子さん。とはいえ日本ではバレエだけで食べていくことが難しく、自身もアルバイトをしながら年に何度かの舞台に上がる日々でした。本場ヨーロッパで学びたいと留学を決意したのは20代半ば。最初は言葉の壁もありましたが、国際的なメソッドに身を置き刻苦勉励する中で、スイスのバレエアカデミーでの日々は、1年のつもりが気づけば3年になっていました。留学を終えると〝職業としてのバレエに挑戦したい〟と、オーディションを経てスロバキアのバレエ団に入団。そこは定期的に舞台を行う、まさに生業としてバレエができる場所。しかし、「言葉は全くわかりませんし、スイス(西欧)とスロバキア(東欧)では重心の置き方から踊り方までまるで違うので、本当に苦労しました」と、舞台に立ち続ける裏では並々ならぬ努力の毎日だったそうです。
こうした経験を経て、現在彼女が歩くのはバレエ指導者としての道。スイス留学で学んだRAD(ロイヤル・アカデミー・オブ・ダンス)という世界レベルの教授法、それを〝教える側〟になるため、実は子育て中でもある山下さんは、約2年間寝る間も惜しんで資格取得への勉強を続けたといいます。その甲斐あって、昨年、広島市では唯一となるRAD教授資格を取得、今春には念願のスタジオを開設しました。初心者からハイレベルまで、幅広い年齢層にも対応したレッスンを行う山下さんのスタジオ。その中にあって子どもたちの育成には特に強い思いがあります。「バレエ界の底上げもありますが、バレエに関わることで学業がより楽しくなったり、一つひとつ練習を積み重ねることでバレエ以外のことが伸びてきたり、そのまま大好きなバレエを職業にしたいという子どもが現れたり…そうしたことを全力で後押ししたいんです」。すぐには上達しないし思うように身体も動かないバレエ。だからこそそれを乗り越え見せてくれる子どもたちの達成感に満ちた表情が、いまの彼女の最大の喜びです。レッスンの合間に帰宅して家族の夕食を作るという多忙な日々。「体力的にはしんどいですが、やりたい仕事ができていますから」と、力強い笑顔で話してくれました。
■ 働き女子のカバンと中身
バッグ(COACH)
女性らしい花柄のトート。ポイントは容量の大きさで、片付け下手だと語る山下さんにもピッタリ♪ちなみに、この中に財布やカード類が入った小さな手提げトートを入れ、バッグの使い分け時にも荷物を移し替えやすい工夫が。
アロマオイル(NAGOMI AROMA)
合成香料無添加、安心・安全にこだわったエッセンシャルオイル専門店のアロマは、ディフューザーとセットで友人からプレゼントされたもの。スタジオレッスンで週ごとに香りを替えて楽しむのが最近のお気に入りです。
バレエレッスン用CD(新書館)
ウィーン国立バレエ専属ピアニスト、滝澤志野によるベストセラーレッスンCD。ドラマティック・バレエの名曲に加え、ウィーンのダンサーたちのお気に入りの曲など全53曲を収録。最近はレッスンでヘビロテ中です。
フロイントボトル(Francfranc)
カラフルな花柄が女性らしくてスタイリッシュなエコボトルは、生徒さんからの贈り物。ステンレスの真空二重構造で、オールシーズン対応可能な保温保冷機能も兼ね備えています。持ち運びしやすい軽さもグッド!
バランスボール(GYMNIC)
手にもなじみやすい、小さなイタリア製のバランスボール。ピラティスのレッスンをはじめ、自宅で行うエクササイズにも欠かせないアイテムです。これらで鍛えるインナーマッスルが、バレエには不可欠なのだそう。