働く女性の本音_vol.77_赤座千幸さん
赤座 千幸さん
漢方の千幸堂薬局/漢方ラボ千幸堂 代表薬剤師
■プロフィール/広島市出身。京都薬科大学薬学部卒業。製薬会社に就職し学術部員として勤務後、結婚を機に退職。その後、自身のホルモンバランスによる体調不良が漢方で改善したことをきっかけに、東京の漢方専門薬局に就職。漢方について基礎から学び直す。平成11年、「漢方の千幸堂薬局」開局。健康の秘訣はもちろん漢方と、10年間続けているフラダンス。不妊カウンセラー/国際中医臨床薬膳師。
スピード感のある時代だからこそ、
歴史ある医学で体の中を整えてほしい
病弱で薬を飲むことが多かったという幼少期。同時に〝飲めば効く〟というメカニズムは好奇心を刺激し、薬に興味を抱くきっかけに。この頃の「薬というもので色んな人を助けたい、早くラクになってもらいたい」という思いは、以来変わらぬ薬剤師としての原点なのだと赤座さんは振り返ります。漢方との出会いは、自身の婦人科系の病。薬の副作用がひどく治療の継続に苦しみましたが、漢方を試したところ驚くほど体調が良くなったそう。この経験から漢方専門薬局の開局に至りました。スタッフは全員女性。これもまた、生理や女性特有の悩みは男性には話しづらいという実体験から。今では、更年期の悩みから不妊、日々の体調管理まで、毎日多くの女性が薬局に訪れています。
相談業務に服薬指導、季節ごとの養生法の広報、漢方の勉強会の開催と、何かと多忙な日々。中でも取り扱う漢方の種類が処方される医療用漢方より格段に多いため、常に新たな知識を得るための勉強は欠かせません。でも、だからこそ病院で原因不明と言われた方や不妊の方が来店し、そこから体調が悪くなった原因を持てる知識のすべてを使って探し、見つけ、改善へと導いたときの達成感はこの上ないものです。「お客様と一緒に二人三脚で頑張っていき、喜んでいただけることが一番のやりがいですね」と赤座さん。処方薬ですぐに治る症状もあれば、ホルモンや自律神経、ストレスなど漢方と親和性の高い症状もあり、「治ればいいや」と考えている人に体の中のバランスを整える大切さを伝えていくのもまた、漢方薬剤師としての使命です。目指すは西洋医学と東洋医学のいいとこ取りで、両方の良さをいかにお客様に役立てられるかを考え、そこで漢方がお客様の人生を少しでも豊かに幸せにすることができれば何より嬉しいのだと話します。
こうした東洋医学を伝えていける後継者を育てるのも、赤座さんの大事な仕事。スピード感が重要視される時代、ゆっくりと体質を変えていくことには難しさもあり、素晴らしい医学にも関わらず学びの場が少ないのも現状です。そこで赤座さんの薬局でも体質診断を行うAIの導入やオンライン相談、定期的な勉強会などを精力的に進行中。「私も正しい技術を持った人材を育てていく年代。新しい時代に歴史ある東洋医学を今後も広めていきたいですね」と力強い展望が印象的です。
■ 働き女子のカバンと中身
バッグ(GUCCI)
上質なレザーにメタリックなロゴが印象的。活き活きとして、かつエレガントな女性をイメージさせるGGマーモント。パソコンや学術資料など持ち運ぶものも多いため、大きさにもこだわっています。
婦人宝(小太郎漢方製薬)
婦人科領域の主薬である当帰や阿膠など9種類の生薬を配合。女性の血虚(血が不足し循環が悪い状態)に対して増血作用があり、肌や髪など女性ならではの美しさをキープし、更年期による症状を和らげてくれます。
万年筆
お客様へ書く手紙や荷物の伝票は大切な万年筆で思いを込めて。友人からのプレゼントです。
フラダンスの衣装
パウスカートと呼ばれるフラダンスの衣装。体を動かすために週に1回、もう10年通い続けています。
イプ
こちらもフラダンスで使用する打楽器イプ。イプはハワイ語で、日本語では「ひょうたん」という意味です。