働く女性の本音_vol.82_中谷美佐子さん
中谷 美佐子さん
特定非営利活動法人日本インクルーシブ教育研究所 理事長
社会活動家/特別支援教育ジャーナリスト
■プロフィール/東広島市出身。ノートルダム女子大卒。学生時代、プロスキーヤーだった関係で渡米。帰国後、中国放送経済番組キャスター、広島ホームテレビ報道制作局アナウンサーを経て、フリーでテレビ制作・ナレーション・司会・広島FM放送でニュースコーナー等を担当。2000年頃から教育の取材を始め、2003年頃からは発達障害と特別支援教育に特化した取材をスタート。2013年、特定非営利活動法人日本インクルーシブ教育研究所を設立。
お互いの違いを認め合える社会のため まず私たち大人が成長しなければ
きっかけは、局アナとして学校現場を取材する中で生じた、「学校に行きたいけど行けない子どもたちがいるのはなぜ?」という疑問。そこから引きこもりや家庭内暴力の実状を知り、やがて発達障害という言葉に行き着きました。しかし、20年前の広島には発達障害について学べる場所がなく、また関連書籍も「親のしつけが悪いから」と誤解にあふれていたそうです。正しく理解するため、遠方の権威の元へ足繁く通いますが、交通費や宿泊費はかさむ一方。この大変さを広島の人に求めるのは難しいという現状と、それでも発達障害の正しい知識を広島の地で広めたいという葛藤の中、周囲の後押しを受けて任意団体の設立に至ったと当時を振り返ります。
現在は、講演やラジオ出演などでインクルーシブ教育(※)や特別支援教育の啓発活動を続ける他、講座や研修会も精力的に実施。中でも核となるのが6年目を迎える「学習・発達支援員養成講座」。現場で子どもたちに接するからこそ正しい知識と専門性を持ちたいという教員や支援員、保護者など子どもと関わる幅広い受講生が基礎理解からサポート方法までを学びます。修了後は受講生自身が幸せに気づき、中谷さんにとってもそれが喜びです。
「発達障害の特性は大なり小なり誰もが持っていてグラデーションのようなものなのですが、それが濃い人つまり少数派には合わない社会、生きづらい社会です。それは教育現場でも同じで、一律に学ばせようとするため少数派の子どもたちは悩み苦しんでいます。発達障害の特性がある子は特定の分野ではすごく才能があるのに、この〝べき思考〟によってできない部分を伸ばそうとされ、突出した部分が伸びなくなります。子どもたちは変わらなくていいんです。ゾウに生まれたのにウサギとして育てようとする大人、学校、社会全体が成長していかなければならないんです」。子どもたちの成長のためには、まず私たち大人が互いの違い、持ち味の良さを認め合え、自己肯定感を持てる社会が必要だと話す中谷さん。今はまだ活動のスタートラインだと謙遜しますが、それぞれの凸凹を生かし合えるコミュニティをつくる里山プロジェクトも進行中。多様性を認め合える社会の実現へ、着実に歩を進めています。
(※)多様性を尊重し、さまざまな子どものニーズに対応しながら、みんなが共に学ぶことのできる教育
■ 働き女子のカバンと中身
バッグ(eb.a.gos)
職人の手によってひとつひとつ丁寧に作られた埼玉発のカゴバッグ。硬くて丈夫な紅籐に、様々な表情を持つレザーや布などを合わせたバッグは、飽きのこないデザインも人気の秘密。
ナイアシンアミド(Nature's Way)
グルテンフリーで、人工着色料、香料、保存料不使用のナイアシン(ビタミンB3)サプリ。日々の元気不足や、肌の健康が気になる方にオススメで、中谷さんは約1年間愛用し、快眠を続けているそう。
USBメモリ(VOLVO)
ボルボのディーラーで購入したスマートキー型のUSB。大きめサイズのため無くす心配がないのが愛用ポイント。
アロマオイル(Saje Natural Wellness)
カナダ取材で見つけた日本未上陸のアロマ。ストレス解消などが期待でき、ロールオンなので使いやすさも抜群。
眼鏡(EYEVAN)
ブルーライトカットの眼鏡はオンラインの時間が長い中谷さんの必需品。パルコのPOKER FACEで購入。