働く女性の本音_vol.84_田中よしこさん

未来志向の脳、本心に沿った生き方で
自分で自分を幸せにできるように

虐待経験を持つ幼少期。〝怒られないこと〟を選択するしかない状況で育ったと振り返る田中さん。裕福でもなかったため、将来の夢はお金持ちになること。条件の良い会社を選び、社会人になってからは一転、キャリアウーマンとして海外でも活躍。しかし、様々な国の仲間と生活し、その人生観に触れる中で感じたのは、自分自身の矮小なモノの見方や考え方でした。「家族を殺された経験のある友人が、それを恨むことなく生きていることに感謝して暮らしている。私もそんな風に生きたいと思えたきっかけです」。そこから、本当の意味での〝自分探し〟、本来の自分が望む生き方と向き合い、カウンセラーとして起業するに至りました。ただ、いざカウンセリングを始めると、相談に来る人の悩みは深く重く、自死を考えているケースも。話を聞くだけでなく、この人たちをなんとかしたい…、そこで取り入れたのが、田中さん自身がこれまでの人生経験で取り入れてきたメソッドでした。幾人もがそのメソッドで社会復帰していく中、やがてそれが〝脳科学〟であると知ったのはしばらく後のこと。30年をかけ、失敗しながらも人生を立て直してきた彼女の試行錯誤は、偶然か必然か脳科学に則ったものだったのです。
現在、脳科学と心理学、実体験を元に行う田中さんのセッションは、個人はもちろん、企業からも引く手数多。病気を患っている人から経営者まで、様々な理由から現状に行き詰まった多くの人が、社会復帰や結婚、健康、収入など〝人生の底上げ〟を叶えています。そして、こうした報告を聞けるのが彼女の何よりの喜びです。「顕在意識というのはわずか１％で、〝自分のことがわからない〟に対する答えは残りの無意識の中にあります。でも、無意識は見ようとしないと見えてきません。実は無意識に自分を否定している方は多く、ついつい損な役回りを引き受ける方や我慢しがちな方っていますよね。でも、本心に沿った生き方、未来志向型の意識でいないと、同じ仕事をしていても疲れ方が違うんです。こうしたことを解消し、マイナス感情をなくしていくのが私の使命です」と田中さん。今後は、誰もが潜在意識を理解できるツールを開発し、世界からマイナスの意識を無くしていくことで、自分で自分を幸せにできる平和な世界を目指していきます。