働く女性の本音_vol.97_中根 夕希さん

気持ちを込めて届けるため
いつも自分の心が豊かであるように

TVで話す凛としたアナウンサーに憧れた少女時代。いつか自分も…という気持ちを抱きますが、自信はなく緊張もするタイプ。そんな背中を母親は押し続けてくれたそう。学級委員になるなど人前に立つ場を自ら作るよう努力を続け、高校の進路相談で初めて家族以外の担任に伝えた「アナウンサーになりたい」。この時、憧れは目標になりました。

テレビ・ラジオのレギュラーを担当する現在。中でも２つが重なる水曜は、それぞれの打ち合わせや生放送、反省会にナレーション収録など多忙を極めます。また、スタジオにいない日もニュースや番組ロケなど県内を動き回る日々です。

こうした忙しさの中にあっても、大変さは感じません。すべてに楽しむ気持ちを忘れず、実際仕事は楽しさとやりがいに溢れているそう。「ただ、いつも同じ体調、同じ気分を維持し続けることは９年目の今も変わらぬ課題ですね。また、あらゆる情報をお伝えする中で、まずは素直に自分の中で受け止めることが必要だと感じています。そのために私自身が豊かな感情を持つことで、VTRに素直に反応したり相手に寄り添ったコメントをしたり、心を込めてお伝えすることができると思っています」。以前は感情を隠してきたと話す中根さん。先輩や多くのスタッフと過ごした時間が、意識を変えてくれたと話します。

テレビとラジオがあるのも、RCCならでは。「見えないからこそ声の質感や間合いが大切だとラジオから学び、見えるからこそ表情だけで伝わることもあるとテレビで経験しました。それぞれのメディアでの表現の仕方を練ることで、相互作用となって自分の幅が広がることに気づけたのは、アナウンサーとしての大きな財産です」。ちなみにラジオはアプリもあるので、福岡のご両親も欠かさず聴いているそう。

「番組は、出演者の他、ディレクターや記者、技術スタッフなどチーム全員で作っていますが、全員の意思が一つのベクトルに〝ハマる〟瞬間というのがあるんです。するとスタジオの空気が変わり、台本以上の番組ができあがります。この感覚は仕事をしていて特にやりがいを感じる時ですし、そうした良い空気感の番組を今後も視聴者やリスナーに届け、私自身ももっとみなさんから親しみを持っていただけるアナウンサーになっていきたいですね」。そう語る中根さん。凛とした表情が印象的です。