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【2021年版】愛と喜びのある結婚をするということ②
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広島で働く女性のみなさんには、「結婚式」を挙げた方、挙げなくとも結婚をされた方がおられることでしょう。
もちろん、これから結婚しようと思われている方もたくさんいらっしゃると思います。
一方、結婚して何年も経過した人、残念ながら離婚してしまった人など、現在、様々な境遇で、日々を過ごされている方もおられるでしょう。
「結婚」をする、しないに関わらず、「結婚」でわかる、大切なこととは何でしょう?
福田誠二神父様の監修のもと、質問形式を取り入れ、今回は「教会で行われる結婚式」についてお伝えします。
▼この記事を読んで分かること
◎二種類ある「結婚式」とは?
◎「結婚式」の流れについて。
◎「結婚講座」とは?
この記事を読めば、「教会で行われる結婚式」についてわかるので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 「結婚講座」とは?
教会では、数か月をかけ、数回の「結婚講座」を、結婚式の前に受講します。
結婚、愛、人生などについて、用意した資料を用いて、司祭(神父)の話や、経験談などを交えながら、ともに学び、考え、自由にそれぞれの意見や体験などを分かち合います。
これは、グループで行われることもあえば、司祭だけでなく、結婚講座担当者がいる場合もあります。
結婚式場や、ホテルのチャペルなどで「キリスト教式の結婚式」を挙げる場合には、司祭との面談や、「結婚講座」はありません。
今回も、実際に、教会で結婚式の司式をされている、福田誠二神父様に、「結婚式」について、さらに、「結婚講座」でお話されている内容について質問してみました。
2. カトリック教会で行われる結婚式が「二種類」ある理由
教会では、誰でも結婚式を挙げることができる
●【質問】:教会で結婚式を行う場合、新郎・新婦がキリスト教信者(カトリック教徒)ではなくても挙げられるのでしょうか?また、教会で結婚式をする場合、「結婚式の流れ」はどのようになりますか?(ライター:山田)
(福田神父):「私はカトリック司祭ですので、カトリック教会で行われる結婚式についてお話しさせていただきます。
もちろん、『キリスト教徒ではない方どうしの結婚式』も教会でできます。
その場合も、同様に、『キリスト教における結婚観』を理解していただくために、『結婚講座』という勉強会が行われます。
前回パート①で読んだ、『コリント書一』の箇所のような、結婚に関する『聖書のテキスト』を読みながら、『キリスト教における愛理解』などについて、お二人にじっくり考えていただきます。
このような場合、結婚式はもちろん、『ことばの祭儀による結婚式』で行われます。
カトリック教会で行われる結婚式は、主に次の二つの形式があります。
一つは『ミサによる結婚式』であり、他の一つは『ことばの祭儀による結婚式』です。
前者は、主に結婚されるお二人がカトリック教徒である場合であり、後者は、そうではない様々な場合などです。
言うまでもなく、カトリック信徒どうしの結婚式では、『ミサによる結婚式』を挙げることが当然であると考えられると思われますが、実際は必ずしもそうではありません。
というのは、結婚する、お二人のご家族、ご友人、その他の列席者の方々が、必ずしも『カトリック信徒』というわけではなく、列席者の『価値観や思いや状況なども様々』です。
それらを可能な限り配慮します。
そのような場合、カトリック信徒どうしの結婚式でも、結婚されるお二人が、『ことばの祭儀による結婚式』を選ばれる場合があります。
つまり、お二人は様々な事情を考慮しながら、最もふさわしい結婚式を準備することができます。
列席者すべての方々に、喜びを共にしていただきたいからです。」
●教会で結婚式を挙げるにあたり、とても寛容な配慮があることが、よくわかります。(山田)
3.「ことばの祭儀による結婚式」と、「ミサによる結婚式」の違いとは?
●「ミサ」は、カトリック教会で、最も重要な典礼儀式です。
「ミサによる結婚式」の場合、司祭が、パンとぶどう酒を聖別して「聖体の秘跡が行われる典礼」(祭儀)が含まれる結婚式ということですが、どのような流れなのでしょうか?(山田)
(福田神父)
「『ミサによる結婚式』から説明しますと、主な流れは次のようになります。」
教会で行われる、結婚式の流れについて
①《開祭》(新郎新婦の入堂や、挨拶など)
↓
②《ことばの典礼》(聖書朗読や、説教など)
↓
③《結婚の儀》(結婚の意思の確認や誓約や、結婚の成立の宣言や、指輪贈呈など)
↓
④《感謝の典礼》(いわゆるミサの中心部分で、結婚の祝福など)
↓
⑤《閉祭》(結びの祝福や、新郎新婦の退堂など)
(福田神父)
「『ことばの祭儀による結婚式』では、これらの流れの中で、④《感謝の典礼》の箇所がありません。
その理由は決して何か優劣というものではなく、上で説明しました通り、新郎新婦を始め、参列者すべての方々の価値観や思いを、可能な限り尊重するためです。
そのために最もふさわしい形式を選ぶことができます。」
●ありがとうございます。よくわかりました。
「ことばの祭儀による結婚式」では、「ミサ」の中心部分である「感謝の典礼」が含まれないということですね。
キリスト教信者ではなくても挙げられる理由はここにあるのですね。(山田)
4.まとめ
教会での結婚式は、たとえ新郎・新婦のおふたりが、キリスト教信者ではなくとも、挙げられるということが、よく理解できました。
さらに、コロナ禍の現在でも、教会では、結婚式を挙げるための相談ができ、準備をすることができます。
次回は、「教会での結婚式の頂点」ともいえる、「結婚の誓約のことば」などについてお伝えしてまいります。
<パート③ へつづく>
1953年山口県生まれ。1994年聖アントニオ神学院卒業。同年カトリック司祭叙階。
2000年ミュンヘン大学カトリック神学部博士課程修了。神学博士。
聖アントニオ神学院、清泉女子大学、白百合女子大学、聖母大学、上智大学、聖マリアンナ医科大学で教鞭を取る。
元聖マリアンナ医科大学宗教学教授。現在、カトリック松江教会主任司祭。
カトリック広島司教区教理編纂委員会委員長、広島・幟町カトリック教会エキュメニカル・諸宗教対話神学研究会主宰、広島県宗教連盟主事。
著書及び訳書は『ヨハネス・ドゥンス・スコトゥスのペルソナ神学』(サンパウロ、2002年)、『フランシスカン研究』Vol.1-4 (聖母の騎士社、教友社、2006年~2010年)、ファーガス・カー『二十世紀のカトリック神学』(教文館、2011年)、ハンス・キュンク『キリスト教 本質と歴史』(教文館、2020年)など。
その他、学会誌掲載論文、大学紀要掲載論文など多数。